吉田さんが聞いたという小林のことばには、付け足しがあって、「独創的な思想家などというものは」ということばが、補足としてあるそうである。 わたしは、その文章を読み、ああ、これは明らかに思想上の相違だ、どちらもこれは譲れないところだろうと、直感したことを覚えている。 というのも、吉田さんの意見としては... 続きをみる
吉田秀和のブログ記事
吉田秀和(ムラゴンブログ全体)-
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両者とも、評論家と言われていた人だが、小林秀雄は文芸評論家、吉田秀和は音楽評論家として名高い人物である。 どちらの人を取るか、と、言われれば、わたしの中ではもう決まってはいるのだが、少し、この二人のことについて、述べてみたい。 小林の「モオツァルト」はつとに有名だが、吉田秀和が若かった頃、やはり、... 続きをみる
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不思議な本である。 西洋音楽史とLP盤のクラシック名演奏集が一体になったような本であるが、およそ、この本の半分を割いている、バッハ以前のクラシックにのLP盤は、この本が新潮社から発刊されている頃に、すでに、ほとんど廃盤になっている。 わたしは、何を隠そう、この本で、クラシック音楽を聴く、手ほどきを... 続きをみる
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わたしは、平均律クラヴィーア曲集は、リヒテルのピアノで聞き初めた。それというのも、吉田秀和さんが「一生持っていて、聴くに耐える演奏」と太鼓判を押している演奏だったこともある。 学生時代だったが、その言葉を文字通り受け取って、これは素晴らしい演奏なんだと、自分に言い聞かせるように、聴いたものだった。... 続きをみる
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吉田秀和は、この曲について、ある人の言ったことばとして「心はたしかに踊っている。ただ、それは喜びのためではない。」という文章を寄せている。 わたしには、これほど矛盾した性格が、何の苦渋も見せずに、自然と一丸となった曲は、他にまるでないように思える。無理に言ってみれば、明るい暗さ、軽快な重さ、死と同... 続きをみる
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モーツァルトの父レオポルトは、自分の息子は天才に違いないと、モーツァルトがごく幼い頃から、その手紙を後世のために取って置くように家人たちに命じました。レオポルト亡き後も、その遺訓は守られ、わたしたちは現在、膨大な量のモーツァルトの手紙を読むことができます。けれども、その手紙は、モーツァルトの音楽の... 続きをみる
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クラシック音楽の好きな人なら、ぜひ座右に置いておきたい一冊です。古今のクラシック音楽の中から、年代順に300曲を厳選しそれぞれに著者の卓抜で正確な評価を加えていきます。グレゴリア聖歌からシュトックハウゼン、武満徹に至るまで、クラシック音楽に対する著者の並々ならぬ造詣の深さは、単なる紹介書の域を超え... 続きをみる