空自身に意味はない 〇 空を観ずることに意味が現れる 〇 仏教は徹底した批判的宗教である 〇 認識において、釈迦の右に出る者はいない 〇 空は釈迦の巨大な発見である 〇 最新の物理学は、仏教と深い連関があるという、だが、科学の目は、けして、人間の目... 続きをみる
仏教のブログ記事
仏教(ムラゴンブログ全体)-
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仁は、儒教で強調される徳目であり、慈悲は仏教で重んじられる徳で、両者とも、上から下に、言わば、縦に下る、自然な愛情表現と言って良かろうと思う。 仁は、為政者から人民に下される徳で、仁徳天皇の話柄は、そのことをよく伝えている。慈悲は、仏から人々に齎される徳で、やはり、上から下への、縦に下る愛情である... 続きをみる
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叡山で、智慧第一と称された法然が念仏を護持し、自らを、頑愚とした日蓮が題目を第一とした ○ 当時、仏教は単なる思想ではなく、人々の生き方そのものであったことを、念頭に置いておかなければならない ○ 天皇を神格化としたとされる「神皇正統記」は、日本の思想に拠ったものでなく、仏教を... 続きをみる
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電車内革靴増える冬来たり さとりとは和語なりけるが仏教のことばとなれり不思議なりけれ
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ことばは、生き物であるから、時代とともに生き死にするものであるが。 啓蒙とは、一頃、いわゆる、人々の行動の主軸とさえなったものであるが、今となっては、まったく、見向きもされなくなった言葉に、堕した。 ヨーロッパは、キリスト教を各地に普及させるときに、この言葉を使った。キリスト教こそが、本当の宗教で... 続きをみる
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確か、アメリカだったと記憶しているが、サンタクロースは、居るか居ないかと、小さな女の子が真剣に、新聞社に投書した。その新聞社内では、アウトローであった男が、君の友達は間違っている、見えるものだけを信じてはならないと、真面目に答え、女の子は納得し、その新聞紙上に載った返答が、話題になったという逸話が... 続きをみる
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大戦後間もない、当時の仏教界に、非常な衝撃を与えた書物です。小林は講演の名手でもありました。この書は、その小林が行った、様々な講演を一丸として、発表したものです。小林は、仏教に関しても非常な造詣を持っていました。論は「人生観」の「観」という一字を巡って、西洋思想も引き合いにされながら、この一見、何... 続きをみる
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日本に城は多いが、これは、単なる戦国時代の遺物ではない。ハッキリと近世になってからの日本人にとっての心の拠り所である。 明治時代となり、城の政治的な役割は終わり、人々に新知識、新思想が入って来てからも, 城は人々の心の拠り所であることを、止めなかった。 現在、熊本城や名古屋城の再建費用として、何百... 続きをみる
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キリスト教は罪人のための イスラーム教は貧者のための 仏教は世捨て人のための 道教は隠者のための そして 儒教は世人のための だが、儒教は宗教ではない
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法然の新しさには、何か決定的なものがあって、わたしはその不思議な革新性に惹かれる。 法然の思想上の新しさは、「念仏も」往生の種となるというのを「念仏こそ」に改めたに過ぎない。だが、これは思想上のことに止まることではない。当時の人々の宗教生活そのものの革新だった。宗教生活の変化とは、当時の人々にとっ... 続きをみる
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キリスト教の人格形成力にはたいへん力強いものがある。マザー・テレサの例を見ても分かる通り、往時の勢いは衰えたとはいえ、未だに、聖女を輩出する力を持っている。最近の例では、アメリカの前大統領のブッシュであろう。この劣等生の飲んだくれを超大国の大統領まで押し上げたのは、まさしくプロテスタントの人格形成... 続きをみる
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菊池寛が、同郷の偉人弘法大師の「十住心論」を学んで書いた書物です。菊池は、真言宗弘法大師の特に「即身成仏」の思想に注目します。これは、人間に非常な勇気を与える思想ではないかと感服します。菊池は、「弘法大師の小説も戯曲も書けなかった。しかし書こうと努めたおかげで、弘法大師のことをいろいろ知ることがで... 続きをみる
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明恵上人は、鎌倉期の旧仏教華厳宗の名僧です。じつに不思議な伝説に富んだ人で、その無邪気極まりない人柄と相俟って、兼好も徒然草の中で、その逸話を取り上げていますし、明恵上人伝記は江戸時代にはベストセラーになっています。屋根裏の蛇が鳥を襲おうとしているのを神通力で分かってしまったり、客と話していて、一... 続きをみる
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角川書店が企画した仏教思想シリーズの中の親鸞についての書物です。当時、新進気鋭の学者だった梅原猛が中心になって筆が執られています。論文と対談という形式で構成されていて、仏教の初心者にも読み易い本になっています。学術的に提示される親鸞像と小説として描かれる親鸞像とを繋ぐ橋がないという嘆きが語られ、親... 続きをみる
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福井の方の年始行事に、弓打ち講というものがあるそうで、的に矢を放ち、その年の吉凶を占うものだそうだが、これは的に矢が当たらないときの方が、吉で、却って的に矢が当たってしまっては、凶事が起こるとされているそうである。 批評ということと、重ね合わせてかんがえてみるのだが、あまりにも的確で、息を... 続きをみる
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仏教経典万巻中第一の書、諸経の王と称される「法華経」です。インドは時間観念を重要視しないお国柄です。そのため、仏教経典もその経典がいつ成立したのか分からないことが多く、また、どれがもっとも重要な教典かの判別もしません。そのために、仏教が中国に渡った際、天台智顗<ちぎ>が教典判釈<きょうてんはんじゃ... 続きをみる
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バッハのマタイ受難曲やヨハネ受難曲を聞き込んだ。 そうして、思ったことがあるのだが、そのことについて少しばかり書いてみたい。 アーチ型の橋を石組みで作るとき、アーチの下の部分をまず木組みで作り、その上に木組みに合わせて石を載せていく。その後に、木組みを取り除けば、しっかりした橋ができる。物理的に見... 続きをみる
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語録の王と呼ばれる、臨済宗の開祖、臨済の言行録です。一読、本から爽快な風が吹いてくるような自在極まりない精神を感じさせます。「仏を殺し、祖を殺し、父を殺し、母を殺し、眷属を殺し、親族を殺し、知音を殺し等々」臨済の言葉は奔放そのものです。「赤肉壇上一無位<しゃくにくだんじょういちむい>の真人、これな... 続きをみる
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膨大な数の仏典の中でも、仏教の教えがもっとも平易に説かれた書物です。般若心経はいうまでもなく、大乗仏教の空の理法を簡潔に説いたもので、仏教経典の真髄と言われています。また、金剛般若経は、仏教経典の中でも、もっとも初期の頃に成立した書と言われ、後に登場する教典のものものしさ重厚さがなく、清新ないぶき... 続きをみる
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本書は、哲学や仏教にも破格の造詣を持っていた著者が、渾身の力を込めて著した哲学書です。最晩年の未完に終わった「意識の形而上学」の先駆となる作品で、「意識のゼロポイント」という井筒独自の言葉を用い、意識とはなんであるか、本質とはなんであるかとの問いを携えて、驚くべき深さまで思考を深めていきます。深い... 続きをみる
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歎異抄の言葉は、たましいの奥底に墨で大書されたような文言です。「たとへ法然上人にすかされ参らせて地獄へ墜ちたりとも」すかされという俗語が、正しく読む者の肺腑を衝き、血の匂いがする思いがします。この文言はどんな人間にも応じます。悪人であろうと善人であろうと。歎異抄には、また美しい言葉があります。「弥... 続きをみる
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道元禅師の弟子懐奘が、師の言葉を採録した書です。懐奘は道元よりも年長なのですが、真摯に師の言葉を書きとり、その為人に肉薄します。この書には、現代のわれわれの心をじかに打つものがあります。道元の開いた永平寺の修行は有名ですが、その修行は実は普通の人間が、修行の心構えを持ち、それなりに我慢すれば、誰で... 続きをみる
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女→論→教え→信仰 という日本仏教の流れ。 記録されている限り、日本の最初の出家者は女であった。このことは、日本人の仏教に対する態度として、多くのことを示唆している。 伝教大師は、当時の仏教が論であることを嘆いて、中国に渡り、教えを伝えた。その後の鎌倉六祖である。 この流れは、何を示唆しているであ... 続きをみる
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