2019年2月のブログ記事
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良書には、正解はない。その代わり、よくよく吟味された問いがある。 〇 何かにつけ、正解を求めずにいられない人は、まだ、学校を卒業できずにいる人である。 〇 本を読みたいが、何を読んだら良いのかわからないというのは、今の多くの人の悩みのようである。岩波文庫は一部を除いて、新潮文庫... 続きをみる
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センセーショナルな感情は、俗耳に入り易く、世間に受け入れられやすい。その代わり、たちまち消え失せてしまうものである。 ○ わざとらしい感情は誰でも見抜く。 ○ 自然な感情は、その自然さにおいて力がある。 ○ 真実の感情は尊い。 ○ 美しく偉大な感情は一番見抜... 続きをみる
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マルクス研究の第一人者が、世界のこれからのあり様というものを学究的に模索した意欲作です。マルクスの理論を超えて、最新の学者の知見が多く援用され、読解の難しい書物に仕上がっていますが、著者のいうところに曖昧なところはなく、一読して、その理念の思想的な価値が感得できます。理念とは、題名として掲げられた... 続きをみる
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前の記事は、わたしの勉強不足、考え不足のために、論が整わず、思い返して、削ることにしました。 niceをくださった方々、どうぞ、悪しからず、ご了承ください。
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人間性とはいいますが、これほど偉大でまっさらな心情を持った作中人物は他にいないでしょう。著者のセルバンテスは、この書のために、風俗紊乱罪で投獄されています。現代の視点から見れば、滑稽なほどの法律の乱用に見えますが、著者の有名な「ドン・キホーテは私だ。」という裁判での弁明の言葉は、その後の文学の脊髄... 続きをみる
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※この記事は、少し分かりにくいと思いますので、「資本主義経済」というタグの中の「紙幣という形而上」という記事をご覧頂いて、参考にして頂ければ、幸いです。 一時代前は、通貨と言えば、貴金属だった。つまり、通貨は実質を持った価値を持っていた。国が滅んでも、通貨自身が価値を持つ財産だった。 しかし、資本... 続きをみる
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シェイクスピアの作品の中でも、もっとも爛熟し退嬰的な気配の漂う、通好みの作品です。家来や召し使いたちは主人公たちより潔く、次々と自ら命を絶っていきます。残された彼らには、背徳の影が色濃く忍び寄ります。大人同士の恋愛悲劇とは、かくあるものかと、読者は、熟れ過ぎた果実をほおばるように、その頽廃した複雑... 続きをみる
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よろしくお願いします。
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第3楽章が有名なトルコ行進曲のピアノソナタであるが、わたしが注目したいのは、第1楽章のそれこそ出だしのところである。 とても単純で、きれいな旋律なのだが、わたしはここに、比喩になるが、何か異様なまるで大きく口を開けた怪物に吸い込まれていくような、または、底の知れない深淵をのぞき込んでいるような不安... 続きをみる
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以前から、不思議に思っていたことがあった。 わたしのブログは、にほんブログ村では、中程度のランキングで、ポイント数もさほど多い方ではないのに、「おすすめ人物画」と検索すると、非常なサイト数にもかかわらず、わたしの絵がトップページに出て来た。今は、URLを変えてしまったので、そうではないが。 また、... 続きをみる
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わたしはそれを地下鉄の電光掲示板で知りました それは瞬く間に消え まるで あなたからの短い伝言ででもあったかのように わたしの心をひどく騒がせました 入沢康夫さん あなたは現代詩を高みに引き上げた 難解な 模倣も追随も不可能な詩をあなたは残した わたしはすこしもあなたの良い読者ではなかった あどけ... 続きをみる
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やっと、きちんと「にほんブログ村」に入ることが出来ました。(^^) 改めまして、みなさん、どうぞよろしくお願いします。<(_ _)> 一句 無知ゆえに五日掛かりてブログ村
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「日本は狭い」とは、よく言われる言葉だが、わたしは日本は少しも狭くないというのが、日本に住む者の実感としてある。「狭い日本」とは、単に、世界地図を見たときの感想をいった言葉に過ぎないのではないかと思っている。 急峻な山々がそびえ立っているために、天候は日本海側と太平洋側とはまるで違うし、単一民族で... 続きをみる
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この小説のモデルは、アウシュヴィッツの強制収容所で、自ら、ある男の身代わりになって、獄死したコルベ神父だとされています。一般社会では、愚図で愚鈍な男という烙印を押されていたこの神父は、遠藤周作の心を強く揺さぶり、この小説の得難いモチーフとなりました。まるで、敬虔なカトリック作家遠藤周作と人を笑わせ... 続きをみる