こころにはこころで応ずこれ礼やいかなるやらん心なき身は 心には目という窓のありしかど開けて居る人いとも少なき こころをば遊びて潰す人ならんからだばかりを心当てにて 町中の柿赤くして空青し
2020年10月のブログ記事
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日本には、北海道の原野や富士の樹海を除いて、いわゆる大自然というものはない。日本の自然は、どの自然を取り上げてみても、人間の営みとともに出来上がってきたものである。 紅葉やさくらの写真などで、とても、繊細な枝振りが捕らえられているものを見ると、すぐに、これは、日本の自然だなと分かる。これは、繊細な... 続きをみる
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反体制送れば学びの自由とや学術会議独立知らず 学問は独立してぞ本物と言ふべきならん学術なんぞ 上中下あるいは右か左かはいかなるやらん人の在り様 柿日ごと赤くなりぬる散歩道
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毎日はとても続かぬ書き方をしておりぬなり自縄自縛や 趣味として持ちたるブログなりけれどかえりてそれに振り回されぬ この年が明けてもコロナウイルスか
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現代、よく「自分を表現しろ」とか「自分を出せ」とか、盛んに言われるが、わたしは、少し、薄気味の悪いというか、ある意味でどうかしている風潮のように感じている。 当たり前なことを、言わせてもらえれば、自分などというものは、そもそも、取り立てて言うに足りないものであるのは、動かぬ常識と言っていいものだろ... 続きをみる
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「明治は遠くなりにけり」は、誰でも知っている、有名な文句だが、これは一句目がまったく看過されてしまった、言わば、トルソの句である。 降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男 が、本来の句なのだが、わたし自身が「降る雪や」の一句目は知っていたのだが、誰の作かについては、頓着しないで過ごしていた。今、ネッ... 続きをみる
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わたしの生活を振り返ってみると、高校生や浪人時代の時に読み、出会った数々の本が、その後の生活の抜き差しならない、わたしの軸になっていることを、強く思う。 中でも、特に感動したドストエフスキー、トルストイ、小林秀雄などの人の見方、物の考え方は深く、わたしの中に根を下ろし、今の歳になっても変わらなく持... 続きをみる
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この言葉は、戦国時代の動乱期から、江戸時代初期によく使われたことばだそうで、今の世の中の「一人ではないよ」というメッセージソングなどに使われることばとは、正反対に見える言葉だが、あまりにも対極的なことばなので、掲げてみたくなった。 戦国期は、言わずと知れた、自分一人の力のみが頼みの綱であった時代で... 続きをみる
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ランドリー百円食われてしまいけり連絡するはかえりて損や 秋深きパンデミックは収まらず 真相は深層にあり吊し柿
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わたしは、専門家という人は尊重している者だが、文芸や芸術においては、専門というものを信じられない人間である。その道のプロとは、昔言葉に過ぎないと言ったら言い過ぎかも知れないが、文芸を鑑賞するとき、どこに、専門センスが必要な文芸や芸術があるだろうかとかんがえてしまうのである。 素人とは言うが、現代の... 続きをみる
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写真から動画の時代になりてより不可思議なこと多く映れり 沈みつつ浮くを学べる術ありや老いを知らざる人のごとくに 虫の声侘しきこころ知る如く
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はてさても上には上のあるごとく下には下のあるを思へり 鈴虫のふと黙りたる夜更けかな 口の周り吹き出物にてコロナ秋 秋晴れの予報は名古屋飛ばしかな
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不思議なり錬金術は有り得ぬを何故にそこより科学出で来や 物質に常に拘る欧米人ものに行く道学問なれど 如何ならむ量子力学解き明かす物と波動と紙一重やは 雄大な西の空には積乱雲
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気が付けば虫の声せし寝付く間や 秋の虫礼を知りたる如く鳴き 国連はカントのイデーなりしかどイデー保持すはあまりに難き 米中の間に挟まり国連はレゾンデートル無きが如くや
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秋の田の刈り穂の庵の苫をあらみわが衣手は露に濡れつつ 巻頭第一の天智天皇の御歌であるが、ある小倉百人一首の本を読んでいたら、この田の刈り番をする歌は、身分の低い農民の歌だとする解に出会った。 わたしは、この解にはまったく不審であった。大岡信の恋歌とする解も頂けなかったが、良い所まで、行っている解な... 続きをみる
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自慢になってしまってはいけないが、わたしは、いつの間にか、人から持ち上げられてしまうことが多い。 学生時代は、いつも本ばかり読んでいる学生だったが、確か、二年生の夏休みが終わって、二学期が始まろうとするときに、いきなり、その学科の級長に選ばれてしまったことがある。級長とは言っても、名前だけの何もす... 続きをみる
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からだをば如何に見事に仕上げれどこころばかりは追い付かなきを 見上げれど秋の夜空に月はなく 北日本雪のたよりの届きけり ※「いいね!」はどうやら押せるようになったようですけど、何か、パソコンが安定せずです。
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わたしのフェイスブックに問題あるのか、なぜか、ムラゴンのいいね!が押せません。 niceボタンは押せるんですが、niceを出していない方には、申し訳ないです。出向いてはいるんですけどね。<(_ _)>
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中国は、あれだけの大国でありながら、つい最近まで、他国を支配したり植民地化したりした歴史がない、不思議な国である。 わたしは、万里の長城が中国のお国柄というものを、象徴的に表しているものとかんがえている者だが、あれは教科書などで、北方蛮族に対する備えなどとしているが、わたしは、この常識をうたがう者... 続きをみる
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まごころは八重の衣に包みてし袖なる手には文を離さじ 中世をいかに遠きと思へども人やは同じ心なりけり 鈴虫の声澄み渡り寝つく夜 珍しき鳥の声せし秋来たる
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綺麗ごと裏なる殊に憎みけりきれいはきたないきたないはきれい 表裏取り違えては適わざり表は表裏は裏なり 流れゆく川面に映る薄紅葉
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アメリカの本音を曝すトランプよ建前あっての本音ならずや 裏表反転したる世の中を狂ほしき世と言ふべかりけり 建前を軽んずる者世を知らず表裏ありての世間なりけり 古びたるバスターミナルや秋の風
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行動をいかに尊ぶ世なりとも立ち止まるしかわれは知らざり 時は金資本経済もたらせるかかる思想の部分真理や 立ち止まりものをよく見てかんがえる別の情景開くさま見し 黒き山その向こうなる青き山
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朝日は夜のかけらを散らし クマゼミははや鳴き始める ひまわりは空を見晴らし ミミズは石畳の上で干からびる 黄昏は愁いを含み カラスの跳ねて 夜 月は澄み渡る ※大学を出て、数年経ったときの詩です。少し改作しました。
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こんな穏やかな春の日に 楡の梢はざわめく まぼろしは浮かんで消え その何処より来たのか明らかでない ※この詩は、わたしが詩を書こうと思い立った時に書いた、初詩です。
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仁は、五徳<五常>、八徳の筆頭に置かれる徳であるが、この仁という語は、不思議なほど、ほとんど熟語を作らない。 思い付く限りで言えば、仁愛、仁慈という熟語はあるが、これはむしろ、仁という意味合いを狭めてしまっている感がある。仁侠という熟語もあるが、これはあまりにも、時代がかった汚れが付着してしまって... 続きをみる
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中秋の名月が過ぎた。 そこで、この文章を書こうと思い立った。小林秀雄に「お月見」<考えるヒント>という卓抜な短文がある。 あらましを言うと、あるとき宴会を開き、若い人たちも一緒にワイワイとやっていたが、ちょうど中秋の名月の晩であったことを知る。誰からと言うこともなく、みんなが月を見上げ、黙り込んで... 続きをみる
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降りてくる 天から金の糸が降りてくる 粉雪の軌跡のように細いそれは のぼれそうでのぼれない 金色の糸が降りてくる 美は人に食いつくもの ※これも、大学を卒業した年に書いた短詩です。
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われは思う謎めくほどに魅力増す人とはかかるものにてあらむ 人生の謎に出会いていかならむ外なる問いにわれは関せず 陶酔や覚めて夢見し曼珠沙華
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いいあい いがみあい せめぎあい みつめあい むつみあい はなれあい まざりあい ならびあい
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女性の胸の良さは、大きさではなく、その佇まいにある。 ○ 性という仄暗さ ○ かつて、わたしは、性を闇と表現していたが、今、改めて思い返すと、男女の間に見事な橋が懸かっているとき、そこから、ほのかな光が差しているのが感じ取ることができる。 ○ 性は闇とは、未成年か不倫... 続きをみる
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付き合いはさまざまなれど清濁を併せ呑むことむずかしきかな 秋なれど陽射しの強き車窓かな