NHKで「FIRE」の特集をやっていた。FIREとは、フィナンシャル・インデペンダント・リタイア・アーリーの略語だそうで、要は、経済的に自立した早期退職という意味である。 この番組を見て、第一に、思ったのが、現代の会社員、特に、大企業で働いている人は、働くことに、お金以外の価値を、まるで見出せてい... 続きをみる
働くということのブログ記事
働くということ(ムラゴンブログ全体)-
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※以前の文章から、ずいぶん、時が経ってしまいましたが、思考を止めていたわけではありません。ある程度、まとまったかんがえとなった感触があったので、それを、ここに記述してみたいと思います。 ここで、わたしの最初の直感に立ち帰って、隠居と見巧者とを、何とか繋ぐ論を、展開できないかと探りたい思いに駆られて... 続きをみる
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※シリーズの間が空いてしまいました。 さて、こう書いてきたところで、このシリーズの一番始めに言及した、隠居について、さらに詳しく述べる番が来たように思う。 思うに、隠居というものは、世の中また社会から絶妙な距離を保っている人ではなかろうか。 今、断捨離ということが流行りであるが、隠居は言わば、自ら... 続きをみる
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「道」について、色々と、言ってきたわけだが、「働くということ」についての考察を、やめていたわけではない。 わたしの目指す本題は、現代の資本主義経済の直中にあって、働くということの意味合いを、問いたいというものであった。 ただ、この問いは、直球で攻めていっても、決して、陥落しそうもない問いであること... 続きをみる
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ここで、「道」の本場である東洋思想は、道というものをどのように考えているのかを概観することにしてみたい。 先ず、荻生徂徠によれば、「道」というものは儒教の中で、発見されたものであるという。 古<いにしえ>の聖人たちの創作したもっとも優れたものの一つとして、「道」があったのであり、古来、「生民<しょ... 続きをみる
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「働くということ」と「道」というものついて、相通ずるものがあるかということを、かんがえたいため、ここで、 道ということについての、欧米やイスラーム圏の人々の考え方のあらましや、その大略のところを、整理して、語って行ってみたい。 欧米の人々にとっての「道」とは、直に、聖書の神が指し示した道とかんがえ... 続きをみる
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ここで、「道」の論に入る前に、資本主義について、日頃かんがえていることを、少し、まとめて書いてみたい。 資本主義経済がもたらすものは、豊かさである。豊かさというものは、言わば、生活上の拡大と利便と華やかさであるが、それがいつのまにか、人生上の事柄にまで広がるものだという信仰に近いものがあったのは、... 続きをみる
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働くということをかんがえて、「道」というものにまで、言及することになったのは、自分でも意外であった。 やはり、実際、書いてみなければ、出て来ないことばというものがあるようだ。 そこで、思うのは、現代日本に蔓延っている冷笑主義というものがある。わたしは、月刊誌や週刊誌を読む習慣がない。もう、学生時代... 続きをみる
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何のために働くかと、問われると非常に多くの人が、生活のためと応えることだろう。 これは、これで無理のない応え方のようだが、何の為にという、意味を問う問い方ではある。 ここで、その意味するところを、便宜上、二つに分けてかんがえてみたい。 このことは、およそ、生活上の悩みに関することと、人生の意味に関... 続きをみる
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ドストエフスキーの「死の家の記録」の中に、廃船解体を命じられる囚人たちの話がある。労働ということについて、かんがえあぐねていて、どうしても、この話がしたくて、仕方がない気になったので、要約して、引用してみることにしたい。この話は、小説ではあるが、ドストエフスキー自身が、間近で見聞したに相違ない、実... 続きをみる
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資本主義経済の誕生から間もなく、社会には、大変革が起こり、「資本論」のような、資本主義的な運動に、急ブレーキを掛けようとする新思想が登場することは、皆さん、ご存知の通りである。 ここで、先述した、量の多寡は質の変化をもたらすということばを、つらつらとかんがえてみたい。 金、特に貴金属である金銀が、... 続きをみる
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次に、働くことに直結する、経済学という学問について、かんがえてみたいと思う。 ただ、わたしの場合は、経済学という学問には、素人の知識しか持ち合わせていないこともあり、どうしても、後に不明を恥じ、牽強付会の説を為すかも知れず、予め、そのことについては断って置きたい。素人の怖いもの知らずの論になると思... 続きをみる
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ここで、西洋風の人々の働き方を、見てみたい。聖書には、「人間にとってもっとも喜ばしいことは、大勢の親族が仲良く集まり、酒を酌み交わし、ごちそうを食べることである。」とある。また、「人間の為すべきことは、神のことばひとつひとつによって生きることである。」と。 そして、新約聖書では、職業人が登場するこ... 続きをみる
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次に、語義から見てみたい。はたらくというのは、はた<傍>をらく<楽>にすることであると、言われることがある。これは天理教でいわれている言葉で、教祖の中山みきの一種の天才性を表している解と言って良いと思う。平易な言葉で、働くことの意義を良く表している。 実のところ、わたしは、働くということの意義に関... 続きをみる
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現在、働くということは全き善として、考えられているようである。また、何故、皆が口を揃えたように働く事を、何もしない事よりも良いことと言うのか、わたしは少々、不審に思うのである。 こうした言い方をしてみるというのも、一度、働くということについて、とっくりとかんがえてみたいと思うからである。 少し長い... 続きをみる