この書のこととなると、わたしはじつに様々な思いに溢れ、1、2回の記事で終わらせるのは、嫌なので、再び、書かせてもらいたいと思う。 次兄が横入りしたことや、また、この書の良さをまるで分からなかった、長兄もいたりして、色々騒がしい事もあったが、この書自体のことについて触れられなかったのは、とても残念な... 続きをみる
カラマーゾフの兄弟のブログ記事
カラマーゾフの兄弟(ムラゴンブログ全体)-
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自分の人生を、決定付けた本を挙げよと言われたら、わたしは、即座に上記のこの書を挙げる。 だが、この本は、わたしには複雑な、入り組んだといっても良い感情を喚起せずには、いない本なのである。 その入り組んだ感情を、自分自身整理する必要を感じるので、ここで、やや詳しく書いてみることにしたい。 わたしがこ... 続きをみる
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カラマーゾフの兄弟のフョードルは、ドストエフスキーが描いた中でも、もっとも堕落した人間である。 自分一人で酒を飲み、酔った勢いで、息子たちと話をするだけで、この怪物は、殺しでもしない限り、善人を貶しめ、嘲笑い、辱めることを決して止めないだろうと思わせるようなものがある。 それで、表題に掲げたこの男... 続きをみる
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わたしの生家はもう取り潰されてありませんが、その生家の横にあった、真ん中に見える黒い小屋は当時と変わらず健在なままで、写真に撮って置きました。 わたしはこの小屋の上で「カラマーゾフの兄弟」を何度も読み返し、こんな素晴らしい本が世の中にはあるんだと、道行く通行人に、本気で教えてやりたかったものでした... 続きをみる
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罪と罰読みしと聞かばマンガでと答えし男虚ろなるかな カラマーゾフ読みしと訊かば大審問のみと答ゆる悲しかりけり 梅雨間近さかりのついた猫の声
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ドストエフスキーの心理観察眼が縦横無尽に極限まで達したかと見える小説です。一人の未成年に語らせるという形式を取り、「悪霊」の直後に書かれ、「カラマーゾフの兄弟」への踏み台となったこの小説は、ドストエフスキーの最も得意な分野である複雑怪奇な心理世界を余すところなく書き尽くしているようです。小説の最後... 続きをみる
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「死の家の記録」には、多くのさまざまな動物が登場するが、皆、動物の形をした人間である。「カラマーゾフの兄弟」にもペレスヴォンという忘れがたい犬が登場するが、これも犬の形をした虐待された人間である。 ドストエフスキーの目は、本当に人間というもの見て見抜く目で、よくあれほどまでに強烈な興味を人間という... 続きをみる
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世界文学の最高峰に位置する小説です。作者が最も成功した「罪と罰」を越えていると言っていいでしょう。「罪と罰」も含めた、ドストエフスキーの後期の大小説群は、単に、長いからというのではなく、コスミックと言えるほどの大きさを持っているのですが、この書はその中でも、最も円熟した作品です。「カラマーゾフの兄... 続きをみる
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「カラマーゾフの兄弟」を高校時代の17歳の時に読み、圧倒的な衝撃を受けた。それまで、うつろな観念の集合体以上のものではなかった人間たちが、わたしの心のなかで突如としていきいきと躍動しはじめ、ひからびていた心臓に本当の血流が注ぎ込まれ、たくましく鼓動を打ちはじめた。いや、それでもまだ弱い比喩である。... 続きをみる