「ピエールとジャン」モーパッサン 新潮文庫
モーパッサンはフランスの小説家です。この「ピエールとジャン」は著者の最良の作品と言っていいでしょう。この小説には、少し長めの序文があります。モーパッサンの師匠に当たるやはり小説家のフローベルから受けた薫陶の言葉、「主語を飾るのは一つの形容詞、動かすのは一つの動詞で足りる。しかも、それは他のものとはっきりと違っている。決して、ごまかしてはいけない。」。また、「自分が小説を書けるのは、もし、自分がこの人であったらと想像力を働かせることができるからだ。」という重要な言葉が見られます。「ピエールとジャン」は貞淑に見えた母親の不倫がテーマになっています。ペシミストであったモーパッサンならではの苦い主題です。
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