Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 「俳諧大要」正岡子規のこと

この書だったと記憶しているが、上方の俳句と江戸の俳句を比べ、情に流れ易い上方と理が先行しがちな江戸とを比較して、結論として、芭蕉などの抜群の俳句は、その両者を生かして、どちらの句とも言えない境地に達していると、書いていたと覚えている。


わたしには、とても面白い論のように思えるのだが。わたしなどの句は、きっと理が先行してしまう江戸風の俳句に偏っていると思うが。


それはそれとして、この俳句の区分けの仕方は、上方、江戸どちらの句であっても死物になっていないのが、とても良いところで、両者のそれぞれの良さ、また、陥り易い難点をきれいに指摘して、さらに、芭蕉の句の高みへと、連れて行く。


なかなか、こういう文章は書けるものではないので、俳句をじっさい作ってみようとする人には、ぜひ、お薦めしたい本のひとつである。