「歎異抄」唯円編 <たましいの奥底に書かれた文言>
歎異抄の言葉は、たましいの奥底に墨で大書されたような文言です。「たとへ法然上人にすかされ参らせて地獄へ墜ちたりとも」すかされという俗語が、正しく読む者の肺腑を衝き、血の匂いがする思いがします。この文言はどんな人間にも応じます。悪人であろうと善人であろうと。歎異抄には、また美しい言葉があります。「弥陀の本願はひとへに親鸞一人がためなり」親鸞という人がどれほど深く自分の心を掘り下げた人であったかがこれで分かります。ロウソクのともしびのような小さな火が、弥陀の救済に導かれるように親鸞の九十年の生涯を絶えることなく貫いています。驚嘆すべき信仰の在り方です。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。