フェルメールカメラのごとき目を持ちて歩き回れりネーデルランド ブリューゲル人は人にて神ならずどの人見てもただの凡人 胡蝶蘭乳房のごとき佇まい
短歌のブログ記事
短歌(ムラゴンブログ全体)-
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禅僧のいまわの言葉「死にとうない」これぞまごころ尊かるべし 異国にてジーザス思うゴーギャンの背には海より夕日の当たり 曼珠沙華捨ててこそ咲く妖しさよ
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この世界誰もが同じコロナ禍にあえぐと見れば不思議なりけり 貧富問わず老若男女等しくもコロナにあえぐこの世なりけり 夏草やコロナと聞かぬ日はなきを
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モーツァルトもっとも暗き388裏の世界を覗くがごとく 曼珠沙華悪魔と詠みし女かな 春は宵深く抉るはモネなりき
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やわらかき女の肌をルノワールもの言うごとく幸福なりや ベラスケス絵画は別の時を刻む彼の時代に居合わせるごとく 透き通る氷の笑みやジョコンダの
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よどむことまるで知らざるモーツァルト夜想曲さへ日の当たるごと セザンヌや厳しき線をグラジオラス 祈りつつガンジーを描く滝の音
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カール・グスタフ・ユングです。前の絵はあごが大き過ぎたので、描き直しました。序でに、プロフィール画像も若干変えます。 短歌 日の当たる深き森にて話聞くユングの横顔無言の哲学
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ただならぬ気配ありけりゴッホの絵裸の心震えるばかり 本質を抉るはうまきピカソなれど壊れたままを表しおりぬ 見事なり春風の吹くモネの絵や
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抱く愛は禁ぜられたりウイルス禍何によりてか愛を示さん 今の世に「わたしを抱ける」と訊く女魔性なれども切実なりき ウイルスは何を変えるや杜若
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子どもならばケンカも仲の良きものを大人同士は始末に悪き うな垂れる球児の親やカキツバタ 遠雷やキナ臭き風吹き渡り
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検察も権力握る人なるを人は政権ばかり目がいく ロッキード未だに晴れぬ疑念あり検察組織健全なりや 夏は来ぬアベノマスクは秋用に
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吹く風のおのずからなるしずけさやコロナ禍なれど染み入るごとし コロナ禍やしばらく月も星も見ず コロナ禍にてカルロス・ゴーン忘れ草
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たださへに苦しみ多きこの世をば何故にウイルス覆い尽くすぞ くしゃみしてコロナ疑う夜更けかな 立ち止まりしばらく見入る夏の花
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太陽の陰画のごときウイルスよ汝はぜんたい誰の子なりや 試練なり試練なりけり人の世にまことありやの試みなりし カキツバタ久しく会はぬ人思ふ
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獣より放出されしウイルスの悪魔的なる激甚災禍 コロナ禍や気付けば立夏通り過ぎ この日本どうしようかと夏は来ぬ
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極微なるウイルスなれど底知れぬ威力を持ちぬ人類は嘆く 人類を試みたるやウイルス禍気持ちを塞ぎ生活を変える カリカリとする人々の顔ばかりウイルス何を望まんとすや ウイルス禍知らぬ顔してツツジ咲く
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人類に一休みせよと教えしか新型コロナ脅威なれども 本物の手応えありや否やかはまっすぐに見る眼<まなこ>にこそあれ 歩道脇赤白ピンクの躑躅かな
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人々は離れて暮らす仕儀となりぬウイルス何を教えんとすや 満開の桜見上げるガードマン 令和二年桜の下の閑かなる
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あるテレビ番組のお陰で、俳句が流行りだそうである。良い傾向だとは思っているが、さて、その番組は見ていない。わたし自身、俳句制作者の一人として見ていると、どうかと思うくらい独断的だからである。指導者的であるのと、切れ味が良い批評と褒め方という以上のものは、得られないようである。 だが、振り返って思え... 続きをみる
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からだ病み頭は濁り定かならず夢ばかり見し我が身なるかな 世界中コロナ禍なれど桜花 舞い上がる桜吹雪の高さかな
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こんこんと湧き出づるものは無けれどもとつとつとして文を綴れり この度も寝てばかりいるお正月 「生きとし生けるものは神聖なり」 ウィリアム・ブレイク
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学問を究めし友の真の嘆き何にも増してうつくしきかな 一人居の部屋にて面を叩きけりわが愚かさを忍び難きて 願い多き年始めにて句作りや
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堕ちてこそ這い上がる期もありにしを安吾は遠くなりにけるかな 哲学をむなしと言わば皆虚し生きてあるこそ哲なる道や さまよふてなほさまよふて年は明け
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人生はこんなものと思い遂げど悟り切れなき我が身なりけり 悟りとは常に傾く心をば平らにならす手段なりしか 散らかりてやがて消え去る小雪かな
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早々に年は明けたり令和二年 昨年も今年も試練の年なりやどの年見ても試練なりしが
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はてさても名を尊びぬ儒教なれども老荘の説もなかなかなりき 文筆はいかにも偉きルソーなれど為すこと見れば小人なりき 山肌のくっきり見ゆる秋の朝
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宮沢賢治は、たとえ雑草と言えども、その名前をおろそかにせずに調べあげ、自分の詩の中に用いたと言われていて、実際その通りであったろうが、わたしには、賢治の情熱はない。 現代詩は、はっきりと抽象的であって良いと思っているからだが、もう一つの考えとして、「読み人知らず」の伝統を受け継ぎたいと思っているせ... 続きをみる
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尾羽の青が鮮明で、てっきり鴛鴦<オシドリ>かと思いましたが、調べてみると、カモ科でも、色々な鳥が居るんですね。 ※みなさんのお陰で、カルガモだと分かりました。ありがとうございました。 短歌 調べても調べてもさてこの鳥の確かな出自判然とせぬ カルガモは軽鴨と書くと知りにけり序でに季語は夏なりと知る ... 続きをみる
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散らかりてさらに流るる紅葉かな 街路樹の黄色に染まる佇まい アメリカにいとも無邪気な男ありダミ声侘しきかのボブ・ディラン
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あそこまで行ってみようよ小春日和 思い掛けず雪山見ゆる通勤路 突くところ他になきかは桜の会 かわるがわる朝の積雪見に行くを湯沸かしながら見ている私
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蹴つまずく出しっ放しの扇風機 おしなべて日本の秋は気まぐれや 紅葉を待ちわびる日のあたたかさ うつつ世に小春日和の幾日かあると思はばうれしかりけり
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どんな鳥居るかどうかを見に行けば山崎川は護岸工事や 白の絵の具落とせるごとく秋の雲 山々は紫立ちて秋日和
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おしなべて秋は短くなりにしを日本の四季は順を外れず PCに振り回されて秋日暮れ 地下鉄や隣は本を読む人ぞ
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両隣りスマホをいじる人ありてわれはぼんやり車窓を眺む 時により空調の風身にしむや 山肌の間近に見ゆる秋日和 街路樹の木の実はみんな鳥のもの
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食べられる木の実かどうか知らねども食欲そそる赤さなりけり 人間はどこでも良いが行く場所が無くては適わぬ生き物なりき 身にしみる言葉ありけり罪と罰
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霧雨や雨降ることを好む人 実りけれどなかなか刈らぬ稲穂かな 人間は持ちつ持たれつ何事もかくのごときを自他共という
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本を読む人の背表紙気になりぬ秋深まりし地下鉄の中 この秋や清流となる山崎川 都心部に清き川あり桜紅葉
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関東では雨で大変な様子で、お見舞い申し上げます。 名古屋では、今日、見事な虹が出ました。よく見ると二重にかかっています。 何かの吉兆だと嬉しいですが。 短歌 何ゆえに関東東北ばかりなり弁財天様あめやめたまえ
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雨風の強き日なれど即位の礼陽が差し込みぬ式の終わりに ブログ村お世話になりて二年半いい人いっぱいムラゴンブログ バス停や金木犀の香り立つ 即位の日雨降りやみて虹かかり
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天災を日本は皆で受けとめぬやまとごころしうるわしきかな 山肌のわずかに見ゆる霞かな バス停や鳩の啄む木の実かな
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日本とはなんと災害多き国やそれでも生きるこの国でこそ そこここの街路樹秋の実をつけぬ 秋の暮れ更地となりし宝石店 名の知らぬ木の実なりけり名古屋駅
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災害のいかにも多き国になれどわれは日本をこよなく愛す 災害に呼び覚まされしやまとごころ復興に向け動き出づる 人々は頼まれずとも動きけりやまとだましい持ちゐたるに 日本や再び晴れの日を見せよ
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明日来たる野分弱まれ南無三尊 神仏に祈るばかりや野分来る 台風のエネルギーとは如何ばかりいにしへ聞きし核の百倍
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いきほひの猛烈なりし野分来たり日本祈れり逸れなむことを コロコロと天気の変わる秋一日 カレンダー薄くなりぬる神無月
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金もいらぬ命もいらぬ名もいらぬそのまま生きた西郷隆盛 人として桁外れなる西郷の器をおもひ秋は深まり 自販機にようやく赤の「温」灯り
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女は子どもを残す 男はことばを残す ○ 中秋やいずこへ消えし知識人浅くて軽い今のインテリ
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狙い撃つごとくに野分首都圏へ 中枢の電気を断ちし野分かな あらためて電気の大事思い知る今の世なれば他人事ならじ
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世の中をどう見るか。だいぶん以前、「世界認識の方法」という際どい題名の本を読んだ覚えがあるが、何が書かれてあったかさっぱり覚えていない。ただ、とてもつまらない本だったことだけは、よく覚えている。 世の中を一歩下がって見てみれば狂言芝居ならざるはなし
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ジーソミア日本憎しと捨てたれどアメリカのこと忘れておりぬ 先の読めぬ文政権にアメリカのしっぺい返しは必ず厳し 怖いもの知らずの文の踏みし尾は誰なるやらんアメリカなりし 外交の無礼を犯す文在寅アメリカ決して黙認せぬに 文政権命数決まる葉月かな
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しばらくは残暑の続く列島や アメリカを怒らせること得ならずフセインしかり文またしかり ジーソミアいかに大事と諭せども世論気にする文在寅かな
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ひとしきり雨降りやみて虫の声 米中の覇権争いそのままの大迷惑なる貿易戦争 一度置きし石取られまじ文在寅国傾けど民嘆けども
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初秋の風吹きとおる朝の部屋 文在寅情ばかりして理を成さず情理揃いて政治ならずや 戦後より七十四年経ちしかど被害慰安婦何故に若きや ※最近、時事の歌が多いです。これも歳かな。
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何事もなき一日の虫の声明日は晴れの天気予報や 香港を黙らせたれど手の出せぬ中央政府は何思ひけん 訪れの早き秋かな令和初年
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日本より北を信ずる青瓦台目算のある賭けなりしかや トランプに金では買えぬ土地あるを改め知らすデンマーク国 いつまでもつれない北を文在寅
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ため息を吐いては首を横に振る明日という日は無きが如くに 列島の夏吹き払う野分かな いびつなる氷なれども透きとおる
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病院の冷たきイスに一時間 この秋は追い詰められし五十代 あんなにも確かなる夢見し故にモーツァルトは若く死せりか
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予め進路知れたる野分なれどおそろしきこと変わりはなきに 戦争は悲惨なことと嘆けども人生はまた戦いなりし 日盛りに小さき花や線路脇
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さんざんな目に遭いたりし生なれどやはりそれでも生きたかりけり いきなりの野分現れ消え去りぬ ふたたびや花火大会延期せし
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確かなる神しろしめす中世にジャンヌ・ダルクは現れ出でたり 絶対に安らいでいた中世を今生つよく求むる我や 雀の子ぎっしり並ぶ屋根の縁
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運命と人は言えども運命を受け容れることいかに難きや 黄色けれど名は知らぬなり春の花 屋根の縁に雀ぎっしり列を成し <無季>
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哀しみを弄ぶことなかれかしその悲しみや時代の悲しみ おぞましき事件起きたり梅雨末期 日枯れせし紫陽花雨に打たれけり
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トランプやみんな吃驚中朝の引きしカードは吉か凶かは 夏なれど商業捕鯨再開す 韓国に一撃与う文月かな
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アホウドリ沖の岬にうでひらき見えつつ遠くなりにけるかも 夏夜中地震ありしも寝べきころ なひありて短夜報道徹しけり
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キナ臭き世界情勢なりしかどわれにはわれの為すことのみぞ 梅雨入りやわが身一つを持て余し 梅雨晴れや滞りなき用水路
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近代は裏より人を見しゆえに表良く見る人ぞ少なき 裏表相合わさりて人なりき裏ばかり見る人は何者 いつのまに春は過ぎけり夏の雲
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いかならむ月は月にて花は花我は我にてかくもかなしき まとまらぬ思いを他所に春の月 いつか見し月や平家に見つけたり
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地獄をやありと言いしもなしとしも確かなりしはこの生き地獄 いなずまや真っ正面に落ちにけり ひむがしにいなずま落つる音すなり
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いかばかり不幸な生のありしかどたとえばゴッホ思へば黙せり 地獄にてふたたび会はむ曼珠沙華 闇に浮かぶ炎のごとき牡丹かな
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思うところありと言はんや春の風ふたたび我をこころみんとす アジサイを滲んで映すアスファルト 日曜日梅雨空なればひきこもり
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地下鉄にイヌを持ち込む女あり吠ゆるに及び降りて行きたり 足を止める通勤路にはガク紫陽花 切り返すツバメの腹の白さかな
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ひとひらの枯れ葉のおのずからなりや木立離れぬゆくへかなしも 春は過ぎ風定まらぬ夜更けかな 新式の建物映す水田や
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かなしみを如何にも深く掘りしとき底を流るる水の無きかは 果物屋春夏秋冬そろいたる 水の張りし田んぼ広がる通勤路
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いたましき事故のありけり凄惨な事件のありきこころ黙せり 路地のツツジ吠ゆるがごとく咲きにけり 油蝉死ぬると思いや飛び立ちぬ
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かけまくもかしこき神のみ業にて母の命は長らえにけり ブランコやかすかに揺れる風のありぬ 用水路まっすぐ夏の空映し
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悲しみに押し潰された日々なれど壊れたものは壊れたかたち リンゴ囓りリンゴの味の確かなる 車窓には滝あらわれて消えにけり
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いずれとも選びわけせぬ道なれど今朝よりわれは両道をとる モーツァルトいくたび聴けど新たなる戦慄すべき明るいこころ 今日よりは新時代なる令和ON
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いかがせむいかがせむとやこの生を迷い迷うて日は暮れなんとす 生活はほぼかたわらに置きしかど時に我の出るわがブログかな 帰り道今朝見し蚯蚓の干からびぬ
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かげろうを生はかなしと誰言はむ命夕日の色に染まれり うばたまの夜のはなれに一人いて思いはみだれかぎりなかりし つゆ末期空一面の雲動く
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久方のアメリカのビル倒壊す異国の空はいたづらに青し 買ったなり返すことなき砂時計短夜一人返したるなり 春過ぎて夏には夏のおもいかな
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うつろなる心のほかにこの世にはもちたる物のなかりけるかな 炎天下人は罪あるもののごと 冷やされて軟水とめどなくうまし
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このところ何も浮かばず過ごしおり体調不良の春となりけり 体調不良で、しばらくブログを休んでいます。どうぞ、悪しからず。<(_ _)>
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あはれなる夢を見し夜のさめまにはうすらかなしき名残ありけり 本を読む人の上なるさくらかな もの思ういとまはありし春の月 書を離れ春の星々伊吹山
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言の葉も交わさで去にし乙女子の面影けさの蝶に似たり 満月を見し一人身の夜なれど背中で語る生き様もなし 立ち止まり雲間に見ゆる春の月
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今まで、ちゃんと「にほんブログ村」に入っていなかったので、ちゃんと「にほんブログ村」に入るために、IDを変更したら、自分のブログを探すのに大わらわになってしまいました。(^^;) 一首 IDを1月終わりに変更すいかなるやらん無知なわたくし
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うつつなき世をたのもしと思ほはばマタイ受難を聴くことなかれ カラマゾフ十七の春炸裂す 暑き日の地下への降下罪と罰 真の実在というものに出会いたい それならモーツァルトのジュピターを聞き給え
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乙女より貰いたる雛棚の上仲良く二つ並び居るなり 短冊に書かれし一句流れ行き 航空機蚊ほどに遠く西の空
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ちょっと気が早いですが、十数年前に作った短歌です。 春の日の風はふんわり桜連れ川辺の道をはんなりはんなり 蜘蛛の糸ひとすじそよぐ街灯下 夏の終わり斜陽の町を通りけり
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光とは明日を迎えることなりき時の流れは滞らずも 切れ目なき歴史を思う去年今年 大晦日テレビと過ごすひとり身や 皆さま、良いお年を。 ※最近は、俳句や短歌ばかり浮かびます。
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雪の朝午後には春の気を萌しバスはさながら夏模様 輝きはたれのためなるクリスマス ジーザスはかがやくメシアかクリスマス 冬至にてメシア生まれぬ人の子の ロマンとは人の世なるかクリスマス
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見るたびに自分の姿は不思議なりまことに我かわれの模造か あんなにも人はくっきり見えるゆえ覚束なきやわれの姿は 見事なり女郎蜘蛛の銀の網 蝶を追い蝶のごとくに飛ぶ雀 蝶は生まれ血はすみずみへめぐりけり
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夕日よりつよくはげしき赤やあるなほ燃えんとす君の唇 ひとつ身を生きながらえて冬の蟻 雪原をきり裂いていく川ひとつ 軒の氷柱やや斜かいに見あげたり 春の雪光やどして降りにけり
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ピアノ鳴る小暗き部屋に情念のほむらかがようロベルト・シューマン ヤナーチェク朱離鴃舌(しゅりげきぜつ)すプラハ春 半獣神口あけておる午睡かな 秋の夜たとえば耳を切るゴッホ ゴーギャンの赤罪の色夏の色
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風はどうなっただろうか部屋は散らかっている 冬日差し鏡の国のアリスのみ逆さになりて書棚にありぬ 運命を暴君とよび冬籠もり 一灯に照らされ雪の寺しずか ファンヒーターごくりと灯油呑みにけり 俳諧をたとえば雪の降る日かな
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すごいような夕焼け空の下人間たちのたましいに動物たちのたましいが忍び込んだ 月澄んで猫になりたい夜だった 批判めくしわぶき残し人去りぬ ひび割れし心にしみる風のありぬ 猿鉄条に病んで夜長し 壊れても目鼻ありけりピカソかな <無季>
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夏座敷縁側降りる猫の子や耳をそばだて秋の音をきく 夜の秋窓より風のまたぎ来る 月天心とんがりおりぬピラミッド ランボーという男あり秋の夜 くったりと女ねむるやキリギリス しばらくは月を見ていし無人駅 永遠という観念の秋は深み
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日なた日陰小春日和の散歩道 眺め入る空には秋や信号待ち 部屋を出でずこころ散らかる日曜日 <無季> 寒風にひとり吹かれて帰り道 雷鳴やひとり過ごせる部屋に風 レクイエム聴くよしもがなかの日にはモーツァルトは死にたりければ 聴くも良し聞かずともよしレクイエムモーツァルトは生きたりければ
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2018年サッカーW杯 日本対ポーランド戦での、日本へのブーイング試合。 あれこそ、本来の、古風な意味合いでの「やまとだましい」「やまとごころ」を持った日本侍選手たちの試合なのである。 「武士道」とは、だから、定義するのが、まったく困難な、じつに含蓄に富んだ言葉なので、一種の精神主義とは、一線... 続きをみる
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演劇の世界で活躍した著者は、短詩型もよくしました。この本はその寺山の短歌俳句集です。題名の由来となった「マッチする束の間海に霧深し身すつるほどの祖国はありや」の歌も収められています。終戦直後の日本人の複雑な心境が読み込まれていると言っていいでしょう。寺山の詩歌は音楽的で独特の韻律を持ったものです。... 続きをみる