Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 神経症は創造的な病気

神経症は、一言で云えば、自分で自分の首を絞めるような病気に他ならない。けれども、そこから、人が立ち上がって見せるとき、どれだけ創造的な営為が為されるかは、非常なものがある。


自分で自分の首を絞めるとは、他の生物ではまったく見られない現象で、まことに人間的で、不具合な心の作用と言えるのだが、この神経症という病気は、じつに多くの秘められた可能性を孕んでいる。


神経症から、大きな仕事をして見せた人物を、いま思い付くだけ挙げてみると、フロイト、ラフマニノフ、アラン、ホロヴィッツ等、名だたる人物たちの名が挙げられる。


いかにも、近代的な病気には違いないが、この人間的なあまりにも人間的な病気から、また、人々はどんな創造的な営為を見せてくれるかと思うと、じつに、不思議な気持ちにさせられる。