Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

「813」モーリス・ルブラン 新潮文庫

ルパンシリーズの中でも最も力の入った良い作品でしょう。作者のルブランは、最初モーパッサンのような作家を目指していましたが、作者の頭の中に、自ら創造した怪盗ルパンのイメージがどうしようもなくこびりついて離れず、また、ルパンシリーズの小説が多大な評判をとったこともあって、怪盗ルパンを書き続けました。作中、ルパンが知らぬまに睡眠薬を飲まされて、朦朧とした意識の中で、緊急の謎解きに挑む箇所は推理小説の中でも圧巻の名場面です。