「古事記」稗田阿礼・太安万侶 岩波文庫
日本最古の物語です。原文はすべて難解な漢字で書かれています。これが現在の形で読めるようになったのは、江戸時代の国学者本居宣長の三十年余をかけたライフワーク「古事記伝」のおかげです。日本人ならずとも、一度は手にとって読んでみたい本です。宣長は、古事記の神代の巻を評して、「良きは悪しきよりきざす理<ことわり>」が書かれていると言っています。黄泉から帰ったイザナギが、体を洗ったとき、左目から最高神、天照大神が生まれたことを指しての言葉ですが、世の中の在り様というものは、確かにその通りなのかも知れません。他にも、忘れがたい優れた話柄に富んだ書物です。
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