Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 何気ない会話 <日本の自然>

つい最近、ある人と何気ない気候の話をしていて、わたしが、「日本は、季節の変わり目なんかには、気温が乱高下して、また、じつに、コンパクトに気候が移り変わる国ですね。」と言うと、「ええー、そうですかあ? 昔はもっと気候が温暖で、こんなに暑かったり、寒かったりするなんて、最近の気候は、やっぱりおかしいですよ。」という返答がかえってきた。


わたしは、窃かに、「ああ、この人は、自分で体験したことは忘れてしまって、『日本は温暖な気候の国』という観念にやられてしまっているな。」と思ったが、そのことを口に出して言うほど、わたしは持論を押し通すタイプの人間ではない。わたしは、別の話題に話を切り替えた。


というのも、わたしは、先の日本の気候に関することばには、自信があるので、態々、相手の機嫌を損ねてまで、それこそガリレオのように、「いや、何と言おうと、日本は気候の厳しい国なのだ」と、誰彼構わずに、捲し立てようとは思わない。


わたしは、よく、話の合間に、こうした世間で言われていることと、正反対のことを何気なく話に忍ばせて、相手がどういう反応をするか、見てみようとする癖がある。


これは、別に、意地悪でやっている訳ではなく、単に、わたしの癖に過ぎないので、それで、気を悪くしたという人には、出会ったことはない。


そうして、そういうような会話をしていると、中には、「あ、言われてみれば・・・!。」と、その人の頭の中に!が浮かんだのが、見えるような反応をする人がいて、そういうときは、とても、こちらも嬉しくなるのである。


わたしの人付き合いのときの、たわいのない一コマでした。