文章を書いて、賞を取ったりお金を貰ったりということは、あまり頓着せずに、ものを書いているが、こうしたわたしでも、文章を書いて些少のお金になったことがある。

わたしの兄の勤め先でのこと。社長の出した自叙伝を読み、社員がそれぞれ感想文を提出するということになった。

確か、原稿用紙２，３枚の分量だったと覚えているが、ちょうどその当時、わたしの読書熱が盛んなときで、ある作家の文章に感激し、その文章を自分なりに噛み砕き、その兄の勤め先の社長の本は碌すっぽ読まずに、兄に頼まれて、原稿用紙２，３枚に纏めて書いて出したら、入賞してしまい、副賞として６千円を出してくれた。

出してくれたと、曖昧な書き方をしたのは、兄は、お金にはとても意地が汚なかった人で、もう、笑い話になってしまったが、「おい、表彰されて６千円もらえたぞ。」と言ってはくれたが、その６千円を、とうとう死ぬまで、わたしに渡してくれなかったのである。その表彰されたときは、わたしが１８、９歳の頃の、昔の話であるが。

そうして、前にも少し書いたのだが、３，４年前に、詩で、表彰して貰ったことがある。これは、査定代１,０００円を出さなければならなかったので、むしろ、わたしにとっては、金銭面では痛手だったが、少しは認めてもらえた気分になったのは、確かである。

３編入賞したのだが、このブログの現代詩の中に入れてあります。一編は、若干、手を加えましたが。