般若心経の漢訳版では、わざと元の言語の発音のまま、漢字に写し、敢えて、訳を示していない箇所がある。 これは、思うに、とても賢い訳し方であって、例えば、コーランに書かれた謎めいたA.L.M風の趣がある。この3字は、まったく解しようがない記号であって、イスラーム圏では、どのような解釈もゆるされていない... 続きをみる
翻訳というもののブログ記事
翻訳というもの(ムラゴンブログ全体)-
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一時代前のことだが、オノマトペはいけないと、盛んに言われたことがあった。これは何に由来しているかというと、他の外国語に訳しにくいのと、特に、ロシア語には、ほとんどオノマトペがない、にもかかわらず、近代ロシア文学はあんなにも高みに行くことに成功した。オノマトペが、いけないという理由としては、これ以外... 続きをみる
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一時期、文学にせよ論文にせよ、翻訳で、一体何パーセントが伝わるのだろうということが、盛んに言われたことがあった。わたしは児戯に属する議論だと思っていたが、一口に言えば、伝わるものは伝わるし、伝わらないものは伝わらない。それで、少しも構わないではないかと思っている。 前掲した「神曲」にしても、原文は... 続きをみる