笑いは跡を残さない 悲しみは後からやって来る ○ 悲しみを詠んだ歌は記憶に値するが、 笑いに興じた歌は、そもそも、記憶に残らない ○ 笑いを好む現代の風潮 後に、何も残さない時代かも知れない ○ モリエールの諸作品は、芸術として認められているが、 落語が、芸術にならな... 続きをみる
ドン・キホーテのブログ記事
ドン・キホーテ(ムラゴンブログ全体)-
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エッセイ 「ドン・キホーテ<前編・後編>」セルバンテス <読書経験> 2
<続き> そうして、振り返って思えば、どこにでもいるような平凡な田舎娘を、貴婦人のドゥルシネーアとして、ここまで思い詰めることができる男とは、本当の阿呆ではないかという思いがどこかで過る。本で頭を焼かれた男。まさしく作者セルバンテスの狙ったところであろう。 「ドン・キホーテ」に見られる、数々の滑稽... 続きをみる
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エッセイ 「ドン・キホーテ<前編・後編>」セルバンテス <読書経験> 1
わたしは、読んだ本は、いつ頃読んだのかよく憶えている方なのだが、この「ドン・キホーテ」については、何歳ころに読んだのかほとんど記憶がない。おそらく、学生時代に読んだと思うが、不思議と内容については、よく覚えている。 まず、岩波少年文庫版の抄訳の「ドン・キホーテ」を読み、だが、それでは「ドン・キホー... 続きをみる
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人間性とはいいますが、これほど偉大でまっさらな心情を持った作中人物は他にいないでしょう。著者のセルバンテスは、この書のために、風俗紊乱罪で投獄されています。現代の視点から見れば、滑稽なほどの法律の乱用に見えますが、著者の有名な「ドン・キホーテは私だ。」という裁判での弁明の言葉は、その後の文学の脊髄... 続きをみる