旋回す人に追われし鳥の群ムクドリならんヒヨドリならん おのずから亡き父思ふ秋なりき あのときの銀杏並木は無くなりぬ
父のブログ記事
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戦争は殺し合いとの語を残し出征兵の父は逝きたり 終戦の日はお彼岸の中日なりしあなあなかしこ
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もみじせし銀杏見るたび父を思ふユーロブジーたる復員兵の 父の死の六十日後に逝きし兄いかなるやらん地獄天国 かなしげにわれを見つめる犬や秋 大いなる光は天の日に他なし <無季>
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わたしがいなくなったら お前はどう生きて行くつもりなんだろう 息子よ お前はどうしてかあさんに似て わたしに似なかったのだろう ああ 愚かにも心を閉ざしわたしの許を去って 行ってしまった息子よ 応えておくれ 息子よ わたしの生き方をお前はどう思うのか
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夜はうつろな吐息を吐いた 父は寝床で病んでいた ぼくは古代を思い出していた おそらくは母の胎内にいた頃の 出来事のことを 朝は透明な叫び声を上げ 船に乗ってやってきた ねつとりとしたこころを 幻想の海に浮かべながら 日が暮れるまで ぼくは一個の知的パロディーだった