一時代前のことだが、オノマトペはいけないと、盛んに言われたことがあった。これは何に由来しているかというと、他の外国語に訳しにくいのと、特に、ロシア語には、ほとんどオノマトペがない、にもかかわらず、近代ロシア文学はあんなにも高みに行くことに成功した。オノマトペが、いけないという理由としては、これ以外... 続きをみる
宮沢賢治のブログ記事
宮沢賢治(ムラゴンブログ全体)-
-
宮沢賢治は、たとえ雑草と言えども、その名前をおろそかにせずに調べあげ、自分の詩の中に用いたと言われていて、実際その通りであったろうが、わたしには、賢治の情熱はない。 現代詩は、はっきりと抽象的であって良いと思っているからだが、もう一つの考えとして、「読み人知らず」の伝統を受け継ぎたいと思っているせ... 続きをみる
-
賢治は謎めいた詩人です。賢治の作品にはまぶしい光が散乱している感がありますが、その光がいったいどこから来ているのかまったくの謎です。また、初期の詩集「春と修羅」に見られるように、自我意識のにごりと格闘せざるを得なかった典型的な近代人であるにもかかわらず、どの近代人にも到達できなかった、いわば、底光... 続きをみる
-
梶井は宮沢賢治と比肩する童話的感性の持ち主だったと言っていいのですが、イマージュの鋭角的な強烈さでは賢治を上回っているように見えます。そうして、それが円満な童話的世界を破る裂け目となります。レモンの鮮烈な味と引き締まった造形美に爆発を見、美しい桜の木の下には動物たちの屍体が埋まっているのだと見る幻... 続きをみる