仁は、五徳<五常>、八徳の筆頭に置かれる徳であるが、この仁という語は、不思議なほど、ほとんど熟語を作らない。 思い付く限りで言えば、仁愛、仁慈という熟語はあるが、これはむしろ、仁という意味合いを狭めてしまっている感がある。仁侠という熟語もあるが、これはあまりにも、時代がかった汚れが付着してしまって... 続きをみる
仁のブログ記事
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ことばは、その生きているところを捉えなくては、意味を成さないものである。したがって、生き物と同じように、それが生き生きとしているか、ほとんど死んだも同然であるかは、大事な点となる。 辞書などの言葉が、どうしてもこちらの胸に響いてこないのは、ほとんど言わば、休眠状態にさせられた言葉の集まりで、詩人に... 続きをみる
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儒教は、その本質を一言では言えないという特徴を持った学問で、儒教が批判されるときには、いつもその端的さを欠いた不得要領な性格が、引き合いに出される。儒教は無論政治思想なのだが、孝悌忠を徳目に掲げるという世界的に見てもめずらしい政治思想である。 そもそも、第一の徳として掲げられている「仁」にしてから... 続きをみる