世界文学でも、重要極まりない、この二人の人物を並べて、上げてしまったが、一つの試論ということで、ご覧頂ければ、有難い限りです。 詩人としては、シェイクスピアの方が秀で、人間観においては、ドストエフスキーが優っていると、わたしは見ている。 シェイクスピアの比喩表現の卓越さは、どの詩人を持ってきても、... 続きをみる
ダンテのブログ記事
ダンテ(ムラゴンブログ全体)-
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わたしが読んだ中で、もっとも深刻な表現力を持っていると感じたのは、ダンテの「神曲」であった。もちろん翻訳ではあるが、言語表現とは、これほどまでに力強いものかと、舌を巻き、恐懼したものだった。 地獄篇の最初の方に、およそ2ページにわたるほどの長い比喩がある。地獄の空気が濃厚に漂う中、まるで一服の休息... 続きをみる
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幾重にも織り巡らされた物語の筋が、最高潮を迎えて、一挙に一点に集中し、破局します。リアリズム作家バルザックの苦り切った顔が見えるようです。バルザックは、自分のすべての作品群を、ダンテが自分の「神曲」をコメディーと呼んだのにあやかり、「人間喜劇」と名付けました。この「幻滅」は、その「人間喜劇」の中で... 続きをみる
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ゲーテが、シェイクスピアの諸傑作とともに「自然」と呼んだ世界文学屈指の名作。圧倒的な幻視力で描かれる死後の世界。すさまじい迫力に満ちた地獄篇。確固とした造形美を持った煉獄篇。崇高で純粋な天国篇。文学が到達した一大極地を示す。