Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 武家社会と第二次大戦

武家社会は、その名の通り、武士が世の中を支配した時代である。鎌倉時代から始まり、室町、戦国、安土桃山を経て、平和な江戸時代へと至り、その封建的な成熟を見たのは、ご存知のことと思う。


このことについて、わたしはよく思うのが、これは世界的に見ても、希有の出来事であって、国家というものの成熟という観点から見ても、日本ほど国家としてきれいに成熟した国もないであろうと、思っている。しかも、武家社会は七百余年も続いたというのに、神代から続く、天皇制まで保持している。国体というものが、これほどきれいに整った国というものは、世界を見渡して見ても他にない。


それで、詳しく論ずることは避けるが、明治期以降のことをかんがえると、第二次大戦までの日本は、言わば、武家政権時代の余波と余力を受けていたと思う。


本土決戦や総玉砕まで叫ばれていた日本人の抵抗精神は徹底したものだったのであって、第二次世界大戦が、連合国にとって、特に日本において、あんなにきれいな終結を迎えたについては、日本人の精神文化がものを言ったので、決して、原爆などの力に拠るものではない。玉音放送の価値というものを、アメリカをはじめとする連合国軍の国々は、未だに勘違いをしているようである。


あまり想像したくはないことではあるが、核を落とせば、その国を黙らせることが出来ると、世界の人々は本気で信じているようだが、これは、日本だからこそ起こった偶然の産物であると言った方が正確なくらいなのである。