現今、非常な健康食ブームだが、このブームに止めを刺す王者の食品として、挙げられるのが、植物性乳酸菌であろう。そうして、この植物性乳酸菌で大事なのは、生きていなければ、ダメだということである。

植物性ではないが、市販されている、例えばカルピスやヤクルトは乳製品で、無論、乳酸菌も入っているのだが、いかんせん、出荷する前に殺菌して、乳酸菌が生きていないのである。

これには、事情があって、「生きた乳酸菌」とは、言わば、生きた特許と言って良く、これを生きたまま出荷してしまっては、そのまま模倣されてしまい、商売が成り立たないというのが実状なのである。

同上の乳酸菌は、苦労して探し出されたものだから、企業にとっては生命線であり、これを、易々と生きたまま出荷するという訳には、どうしても行かないのである。植物性の乳酸菌もまた、然りである。

こういう事情があるので、市販されている「乳酸菌入り」と謳っている食品は、残念ながら、そのほとんどが、死んだ乳酸菌なのである。そうして、こうした殺菌された乳酸菌は、腸内で、うまく働いてくれる健康食品ではないのである。

だが、まだ、落胆しなくても良い。切り札があるのである。それが、他ならない自分で作った「糠漬け」である。

ご存知の通り、毎日、ぬかを捏ねなければならない、至極、面倒な食品なのだが、これこそ、最強の健康食品、特に胃腸で悩んでいる人には、打って付けの食品なのである。また、これは胃腸だけでなく、殆ど、全身に効くと言って、過言ではないくらい、寿命さえ延ばせるほどのパワーを持った食品なのである。

この手作りの糠漬けには、驚くほど大量の生きた植物性の乳酸菌がウジャウジャ居るのである。実は、乳酸菌は動物性由来のものより、植物性由来のものの方が、生きたまま腸内に届いて良く働くのである。手間さえ省かなければ、これほど安上がりの、健康食品は他にないくらいである。

思えば、日本人は、よくもこんなに安価で、健康に良い食品を発見したものである。ただ、昔の日本らしく、手間ひまを欠かせない、現代の時代風潮と逆行するような食品ではあるが。