源氏物語を読み返している。以前、読んで分からなかったことが、次第に鮮明になってきた。以前の読書はいささか読み方が幼稚だったようである。 およそ、物語の主人公で、これほど作者に、本当に愛された登場人物も他にいまい。そこには、贔屓の引き倒し以上のものがある。太陽光と同等と言っていいような直線過ぎる愛情... 続きをみる
紫式部のブログ記事
紫式部(ムラゴンブログ全体)-
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「紫文」とは「源氏物語」のことです。この書は、宣長が紫式部は大略こういうことを言いたかったのだということを纏めたものです。有名な「もののあはれを知るこれ肝要なり」という文章が見えます。人生においては、「もののあはれを知る」ことが最も重要なことなのだと言うのです。宣長は、「もののあはれを知る」ことは... 続きをみる
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およそ、物語上の登場人物で、作者から、これほど本当に愛された主人公というものは、いないでしょう。式部は太陽光のようなまっすぐな愛情を、光源氏に注ぎきります。物語に奔出するおびただしいメタファーとそれを正確にかぎ分けるするどい嗅覚と感覚は、源氏物語に慣れない人を戸惑わせますが、そのメタファーの大海に... 続きをみる