あまりにも高名な本ですが、この書だけで、福澤の思想を代表させるには、少し無理があるようです。福澤の思想の本領が発揮されるのは、やはり「文明論之概略」や「福翁自伝」においてである、というのが撰者のかんがえです。「学問のススメ」で、福澤は、新時代の徳というものを列挙します。軽薄は鋭敏に、鈍感は重厚に、... 続きをみる
文明論之概略のブログ記事
文明論之概略(ムラゴンブログ全体)-
-
名著「文明論之概略」を精細に読んだ、丸山真男の評論文です。丸山は戦後民主主義を代表する思想家ですが、自分の拠って来たる思想の根本となった、福沢諭吉の代表作であるこの書物を、自分なりに得心のいくまで吟味しようと筆を執りました。丸山の読みは明快です。文明の理想を不抜の理念とする思想は、どこにも曖昧さは... 続きをみる
-
福沢諭吉の思想の本領が発揮された書物です。福沢自身が、雅俗混交体と呼んだ俗語も豊富に取り入れたこれまでにない名文になっています。「文明論之概略」には、緒言があります。この未曾有の混乱期を、我が身をそのまま実験台にして「一身にして二生を経る好機」とする人間と、頭だけを切り換えたかに見える奇怪な「両頭... 続きをみる