司馬の「空海の風景」を読んでいたときに、面白い文章があった。弘法大師がある仏説を真理だと、証明するという件りがあって、司馬は、それを弘法大師独特の方法だと書いていたのだが、その方法とは、自分が書いた詩を引きあいに出し、こうした優れた詩を詠めるのは、拠って来たるその仏説が真である証拠だという証明の仕... 続きをみる
世界文学のブログ記事
世界文学(ムラゴンブログ全体)-
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科学は知の底辺に位置するものである ○ 科学は普遍性を持つが、科学という箱からは決して出られないものである ○ 箱を破り、知を広げようとするところで、知はローカルなものにならざるを得ない ○ 世界文学という言葉はあるが、世界哲学という言葉はないのである ○ ... 続きをみる
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「生きるべきか死ぬべきか、それが問題なのだ。」など、シェイクスピアの作品の中でも、名文句、名台詞に溢れたあまりにも有名な作品です。作中、あらゆるものを突き抜けたように感じられるハムレットの自由感情は、世界中のどのような文学と比べても比類がありません。運命の自然力と人間の自由とが渾然と一体になった、... 続きをみる
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ゲーテが、シェイクスピアの諸傑作とともに「自然」と呼んだ世界文学屈指の名作。圧倒的な幻視力で描かれる死後の世界。すさまじい迫力に満ちた地獄篇。確固とした造形美を持った煉獄篇。崇高で純粋な天国篇。文学が到達した一大極地を示す。