エッセイ きれぎれ草 13
幸福な人間は、自分が幸福である理由を深く尋ねようとはしないものだが、不幸な人間は、自分がどのように不幸であるかを良く知っているものである。その人は、そこからその人自身の独特な人生観を作り上げる。
〇
精神にとって肉体を侮蔑することほど易しいことはない。難しいのは肉体の声を正確に聴き取る繊細な耳を持つことである。
〇
自己主張には、どこか病的な影がつきまとっているものである。健康な自己主張とはありそうなだけで、実際はどこにもないものだろう。主張する自己は、自分が病んでいることを決して知らない。
〇
人生という真剣な喜劇。いつもながら、そのグロテクスさ加減にはうんざりさせられるが。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。