エッセイ きれぎれ草 115 <人さまざま>
名前をうっかり忘れてしまったが、古代ギリシアで、上記の題名の本を書いた賢人がいた。
およそ、人というのは、どんな時代であっても、人間としてのタイプというものは一緒のようで、この賢人によって書かれた、悪い方の性格のタイプは、すべて、この短い性格序説の中で、言い尽くされているようである。
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人を攻撃して、利益を得ようとする人間は、まず、自ら自滅するもので、自分が放ったその毒矢は、そのまま元の自分に戻って、本人を突き刺すものである。
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また、これは女性に多いが、自分だけが良い子になろうとして、面倒で手間の掛かる下仕事は、全部他の人にやらせようとする人が、いる。
男の場合は、ある権力を使って、人の功績を奪い取り、自分のものにしようとする人が、いる。
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女は人間関係を、よく取り沙汰する。男は権力を誇示しようとする。
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上記のギリシアの賢人は、何故か、人間の悪い性格のタイプだけ書いて、良い性格の方はまるで書かなかったか、文献が残っていない。
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悪い性格というものは、およそ、その人の人相や雰囲気を、台無しにしてしまうものである。老いさばらえて、腕に抱いたかわいい幼子に泣かれないように、自分の悪さを矯正するのが、一番な人がいるものである。
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