Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 平年気温というウソ <乱高下する気温>

各局の天気予報を見ていると、必ずと言って良いほど、平年の気温は何度でしたという情報が入る。


まるで、今年だけは、気温が乱高下しているという錯覚を抱かせるが、あれは平年を均した気温なので、緩やかに下降したり、上昇していくのが、季節ごとの順序として、当たり前である。


思うに、なぜ昨年はこんな風に気温が乱高下しました、また、一昨年はこうでしたという風に、放送しないのかと、訝しくてしょうがない。


例えば、カナダのトロント辺りの気候は、日本のようには乱高下せず、気温が穏やかに推移するのであるが、日本は特に、今のような季節の変わり目には、とてもコンパクトに気温が変わるのである。


今日暑かったと、思う間もなく、明日は途端に寒くなったり、また、朝、寒かったと思うと、昼になったら急に暑くなったりと、また、その逆であったりと、まことに分かり難く、掴み難い天候の推移の仕方なのである。


こうした不思議な天候のあり方が、例えば、ウイスキー作りには持って来いの気温の変化なのである。


一概には、言えないかも知れないが、日本人のどこまで行っても、諦めないような性格は、こんな厳しい天候に、日々曝されているところからも、来ているかもしれない。


各局の天気予報は、もう少し、日本は気候の温暖な国という、固定観念から脱却すべきである。