Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ ある女流詩人について

わたしは、同じ県の出身なのだが、詩に「ばかもの」とか「ばかものどもよ」という語句を、入れなければ、気の済まない女流詩人がいた。


言わば、俗を俗語で、断つ、という案配の詩と言ってよかろうと思うが、どうにも、こうした詩は、わたしは好まない。


俗は俗として、厳としてある。詩を書く者の、端くれの立場から言えば、これは、いくらでも放っておいて良いものだと、思っている。俗もあまり度が過ぎれば、政府機関などが、それなりの手を打つものだと思っている。


金八先生の時と違って、今は、学校もずいぶん大人しくなった。どうした加減かは、分からないが、悩みや鬱屈は、外に向かって吐き出されるよりも、内向される時代となった。


そういう時代である。そうした傾向の中では、「ばかものどもよ」の掛け声は、時代の移り変わりとともに、遠く流されていくように思われる。