エッセイ 働くということ 番外 <冷笑主義>
働くということをかんがえて、「道」というものにまで、言及することになったのは、自分でも意外であった。
やはり、実際、書いてみなければ、出て来ないことばというものがあるようだ。
そこで、思うのは、現代日本に蔓延っている冷笑主義というものがある。わたしは、月刊誌や週刊誌を読む習慣がない。もう、学生時代から、この冷笑主義に侵された媒体には、飽き飽きしているのである。これは、特に、インテリの好物ではあるが。
冷笑主義の行き着くところは決まっている。「すべては無意味に過ぎ去る・・・。」である。
マクベスの有名な独白からの引用であるが、およそ、現代において、この科白に躓かなかった現代人がいるだろうか。
これは、言わば、一方の極である。負の極限と言って良い科白である。では、もう一方の、正の極限は。
パスカルの言葉を引こう。
「一方の極だけをきわめても、何も偉いことはない。両極を、限りなく推し広げ、その中間を満たさなくては。」
これが、本当に出来ている現代人は、日本人作家では、わたしの見てきた限り、小林秀雄一人である。
さて、もう一方の極である「道」については、どう語っていったら良いものだろうか。
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