「基督信徒の慰め」内村鑑三 岩波文庫
内村鑑三は、明治期を代表するプロテスタントのキリスト教徒です。内村は日本史にも登場する「不敬事件」で当時の社会から指弾を受け、内村の家は投石され、妻はその心痛に耐えかね病死します。この書は、その独自の人生経験から生まれた、内村の処女作です。「艱難を受け、それを耐え忍ぶ者は、すでにして基督教徒である。」という言葉は、この書を読む者の肺腑を衝かずにはいません。内村の異常な精神力と繊細な感受性とが溶け合った本書は、優に情操文学の名前に値します。正宗白鳥は、結局、内村の中でもっとも良い書であろうと言っています。感動の書です。
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