現代詩 腹
腹は見えたかい
どうだったかね
相手の腹の中身は
呆れたかい
それとも
腹が立ったかね
悔しまぎれに
カバンを床に叩きつけてみても
苦々しい顔は
同じだよ
こんな屈辱を味わったことはない
そう言いたかったかい
それとも
諦め切ったような眼で
相手の顔を見つめたかったかい
ああ
ひどいもんだ
それでも
人は信じるんだ
何かをどうしようもなく信じるんだ
生きて行くんだ
人間というものは
たった一つのことが言いたいばっかりに
何万ページもの本を書いた作家がいたよ
愚かだね
けれども
美しいことだよ
さて
ではそうすると
どんな役回りをこれからわれわれは演じることになるのだろう
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。