軽い話をひとつ。最近、子供たちを中心に、親も巻き込んで、妖怪や怪物が大流行りである。面白いし、何か、よいことのように思えてしょうがない。

あの複雑怪奇で、大げさな形象と有り得ないような色の組み合わせは、泣く子供も多いようだが、子どもの心に、豊かな栄養分を与えるような気がしてならない。

柳田は、「妖怪談義」の中で、なぜ、昔の人には妖怪を信じる人が多くて、今は、信じる人がまるでいないか、分からなくて困っているのであると書いているが、現代、妖怪は見事に復活を遂げたようである。それでなくては、また、不死身の妖怪ではないかもしれない。民俗学にとっては、よいテーマになるのではなかろうか。