陽はしばし雲一片に遮られすこし涼しき風吹き渡る 川ありて風身に染みる日暮れかな
2021年9月のブログ記事
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結局は名前に返る為人名というものの不思議なりけり 鷺一羽首うな垂れて川を見し 海に来ていつとは知らず来たる秋
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静かなる夜に鳴くなり虫の声 町音は静かなる夜の虫の声 秋なれば瑞々しくも鳴く虫の声すみ渡る夜の町かな
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柿の実のやや色付ける隣家かな 夏と秋せめぎ合いたる長月や 9月下旬大きな台風来たるらし伊勢湾台風やはりその時期
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民主主義については、わたしはごくごく幼い頃から、ある違和感を抱いていた。子どもの頃、兄から「この世の中で、一番偉いのは、誰だ?」と問われ、わたしが一所懸命考えていると、兄は「それは、俺だし、お前だ。」と事もなげに言った。 このやや粗雑な民主主義観は、当時のわたしには、まったく解せなかった。その子ど... 続きをみる
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燃え盛る千筋のごとく曼珠沙華 曼珠沙華追い詰められしごとく咲き
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纏まらぬこころを抱え月見れば千々に哀しき思ひ溢るる 路傍には際立つごとく曼珠沙華 赤と黄の二色ありぬ彼岸花
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中秋の名月なれど雨模様 雲隠れせしとも今宵の名月や 雲間より赤き月出づこの夜は中秋なりと人は言いけり
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自民党は、総裁選争いで賑やかな様子で、傍目で見ていても、誰が、総裁選を勝ち抜いて総裁になるのか、興味が尽きないようなところがあるが。 そういうわたしは、昔から、競争というものが、苦手である。わたしには、友人はいるが、ライバルというような人は、いない。わたしはごく小さい頃から、そういう人を作って来な... 続きをみる
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欧米思想、また、その周辺の思想の中で、わたしがもっとも分からないと思うのは、この「裁き」の思想である。 ○ 何故また、人間は死んだ後でさえ、裁かれる必要があるのだろうか。 ○ 人間が、それほど罪深い存在だとするのは、キリスト教を中心とする、聖書を拠り所とする人々に共通する考えに... 続きをみる
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苦吟せど句は出来ぬなり秋深み このところ秋深まれど句とならぬ ※無理やりの二句です
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上記の通知を、封筒で受け取った。 以前、このブログでわたしの詩が、ある文芸誌で入選したことを書いたが、それは、この「文芸思潮」の現代詩賞だった。思えば、しっかりした賞だったことに、改めて気付いた次第であった。 どの詩が、入選したかは、わたしの羞恥の念もあり、ここに書くのは保留するが、ともあれ、また... 続きをみる
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雲一つツクツクホウシの鳴いており あれこれと算段すれど間に合わぬ時はあれども許されざるや
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平凡な雲連なりて秋日和 どこまでも青き空かな蟬の鳴き ※今日はこの二句です
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時たま、家電量販店に行って、色々見ていると、音響コーナーでCD付きラジカセが並んでいるのを見て、何だか嬉しくなる。 わたしの少年時代は、ラジカセの全盛時代で、とても色々なタイプのラジカセが発売されていたものだった。その頃の、浮き立つような気持ちを思い出すのである。 思えば、カセットテープというのは... 続きをみる
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空に湧くとりどりの雲形変え人の意表をおのずから突く 鳴き交わす鳥声繁き秋日暮れ 鳥は空を飛びながら風の形になろうとしていた
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当たるとも当たらぬとても占いの言葉は軽く受け流すべし この青さ何に比べん秋の空 名月を背中に受けて帰り道
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真っ直ぐに空を見つめる男ありその向こうなる未知の町かな 気付かないことに気づいた玄関前出すべき手紙カバンの中や 高きより高きにありぬ秋の雲
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とりどりに高く浮かべる秋の雲その各々のかたち変え行く 秋の空変幻自在のキャンバスや この青き空を見つめる猫の子や
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一対の極楽とんぼ宙を舞いそれを食ひたるモズの嘴 身に染むや風吹き抜ける地下通路 見上げればうすく尾を引く秋の雲
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そこはかとなき思ひあり秋風のおのずからなりこころに沁みる 秋の夜窓より風のまたぎ来る <改> 秋風の散らすと見ゆる鳩の群れ ※春風の吹き散らすらし悩みごと <改>
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秋はまた空きと云うべしたとふれば空よくものを入れるごとくに 秋なれどわが食卓の貧寒さ 秋風の吹き散らすらし悩みごと
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かなり、以前に御器かぶり<ゴキブリ>について、「御器かぶり考」と題して書いたのだが、読んでみえる人、もしくは覚えてみえる人は、ほとんど居られないだろうとおもい、ある程度重複しても良かろうかとかんがえ、書いてみることにしたい。 まず、ゴキブリの名前であるが、この虫の正式な名称は「御器囓り<ごきかじり... 続きをみる
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秋の鳥するどく窓を横切りぬ ※今日は一句しか浮かびませんでした。
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この人の評価は、毀誉褒貶こもごも至るであろうが。 わたしは、こんな風に菅さんを形容してみたい。 訥にして朴、実はあれども花がなし。 見掛けを尊ぶ風潮に圧されたのが、退陣する一番の理由ではないかと思っている。
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御器かぶり新居に見つけもの悲し やや冷えしからだを風呂に泳がせぬ 占いは信じるものにあらざりき当たる当たらぬいささかのこと
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最近、わざと、クラシック音楽を聞かずに、過ごしている。 それで、どうということはないのだが、いざ、そんな風にクラシック音楽から離れてみると、頭の中で、クラシック音楽が鳴ると思いきや、ほとんどそうしたことは起こらず、昔よく聞いた、ポップスやフォーク、ロックばかりが、頭を過ぎる。 わたしが愛してやまな... 続きをみる
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月変わり急に秋めく日和かな 引っ越しは終われど気持ち高ぶりぬいつものように振る舞えぬ我