俳句には、季語が必須だが、はじめて句作りをしようとする人がしがちなのは、季語の重なりであろう。 句の中で、季を表す言葉が二つ以上あると、どうしてもfatな印象を与える。季語は句の中で、一つのみという鉄則があるわけではないが、一つの方が、句がスッキリとして、焦点が定まりやすいという利点がある。 本に... 続きをみる
2020年7月のブログ記事
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絵を描いてぼやけて見える景色かな老眼鏡はいつから掛けしか 友を見てわれの年齢知らされぬうかうか生きし五十余年や 俳人や枯野の似合う人なりき 荒れてなほ向日葵の咲く人の庭
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人ばかり不可解なりしものはなし鬼か仏か同時にそれや 珍しき鳥の声せし探せどもどこにも見えぬ不思議な声や ため息を吐いて長夜の心遣り 暗闇に花火上がりて目覚めけり
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これからが大変なりと言ひし人あれから十年過ぎ去りにけり 少しばかり眠たげならん家の猫前足揃え首を乗せたり コロナ禍を俳句短歌で過ごす夏 寝入りけりいつの間にかの夏の午後
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女ばかり不可解なりしものはなし女にしても男は謎や 手紙にて君を愛すと書きしかどなしのつぶての夏となりぬる 秋近しコロナいつまで居つくやら
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夏の海おのずからなる空の青夕暮れ時の赤すさまじき 力尽き蟬寝転がる川の岸 夏夜明け小鳥囀る林かな
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天災は天災としてやまと国知力をもちて自然と和する 大いなる対流動く梅雨末期 梅雨末期気の変わり目のあらしかな
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<あるいは実験する自己> 自らを 近代文学で試し 中世文学で試し 音楽で試し 絵画で試し 哲学で試し 学問で試みる
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レンブラントドラマのごとき光当てさらなる闇は何を語らん 幻日にわれを忘れぬカキツバタ 幾千の蟬の声にて目を覚まし
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欧米 女を理解できない文化 日本 女を理解した文化 ○ 始末に悪いもの 女のおしゃべり ○ 善人の愚痴 ○ 悪女の惚気 ○ 性格の悪い善人 ○ 酔狂な禅僧
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この館クラシックを流しけり耳そばだてるモーツァルトや 色気ある女の居たり夏の道 ジージーと果てしなく鳴く夏の虫
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半端なる句首を並べていかがせむ如何せむともわれの句首なり われ三度自省せるともそのままに自己と戯むる愚行はすまじ 頃合いを見つけて鳴くや夏の鳥
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幻日と名前は知れど現実に見しは皐月の午後のことなり 振り向かぬ男は無きに等しきを権威権力美女金名誉 夏夜明け小鳥囀る林かな
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ところどころマスク落ちたる夏の道 カラス鳴く夕暮れ時の蟬の声 おしなべて権威権力男持ち女はこれらにもっとも弱き
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宇治十帖が、始まる前に、「雲隠」と題した題名だけがあって、本文のない巻があるのは有名だが、式部もにくいことをするものだと思う。 本居宣長は、「紫文要領」の中で、光源氏を、いかにも深く「もののあはれ」を知った人として、「この上、誰が心の上に源氏の死のあはれを書こうぞ」と言っていて、その通りだと思うし... 続きをみる
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男にて権威権力好かぬ人稀なりけるや狂にして狷 思いなす男前にて金名誉女の好きな三ヵ条なり 午後の部屋音楽止みて蟬の声
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さまざまに思案したりぬ夜もすがら落ち着くところなんとかなると テレビ消し時は静けさ取り戻すほのかに思う孤独なりしと 濁流や魚群はいずこ梅雨末期
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人間の欲は極まりなけれども情を得すなわちかたちを取りぬ 性欲はいかにも大事これ真なり虚しきことはさのみなるとき 丈高き向日葵咲くや人の庭
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エッセイ 内田光子のモーツァルト 2 <ヴァイオリン・ソナタ>
内田光子のモーツァルトの演奏は、もっとも良く聴くCDの中の数十枚である。ピアノソナタやピアノ協奏曲の演奏は事あるごとに聴いている。わたしは、この人のモーツァルトのヴァイオリン・ソナタは一枚しか持っていないが、ズスケのヴァイオリン・ソナタより余程いい。 ズスケの方は、あのいつも真新しいモーツァルトが... 続きをみる
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かの蝶の名前知りたき大きなる黒に白丸付けたる蝶の 夏の夜名を調べたるかの蝶はオオクロアゲハと見当付けぬ 夏の夜の心さわがす黒き蝶
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夏の道ふいに現る黒き蝶カメラ出だせど間に合わざりき 忘れ難き黒蝶なりし今一度通りに出でど姿は無きを 名は知らぬ花の上には夏の蝶
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河川みな濁流となる梅雨末期 名の知らぬ花には蝶のとまりたる 描かんとすマザー・テレサの気高きを原画は人に遣りてむが
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少し、霧がかかった時の摩周湖です。とても幻想的というより、その名の通り神秘的な摩周湖でした。 写真の女性には、載せる許可を得ていませんが、昔のことですので、許して頂けると勝手に思っています。それに、後ろから見た横顔だけですから、誰か分からないと思います。
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夏の日の山崎川です。鴨と亀がお盛んでした。この写真は5年ほど前のものです。 動物たちの交尾は、何か微笑ましいです。
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※被災された方々には、お見舞い申し上げます。また、豪雨により、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。 コロナ禍に日本を襲う豪雨あり誰が言いしか災害列島 梅雨末期激しき雨の日本かな 蓮華咲き池はピンクに染まりたり
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「幻日」という現象です。何故か、名前だけは知っていました。この写真は、6,7年前のものです。 ある夏の日の朝日です。「幻日」を撮ったときとほぼ同時期に撮りました。いずれも、都心部で撮りました。
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翻訳家で、文学にも哲学にも強いという人は、ごく稀なようである。 例えば、ドストエフスキー訳で有名な米川正夫という人は、翻訳家としては、とても優秀なのだが、ドストエフスキーの作品の味読となると、カラマーゾフの兄弟のアリョーシャと白痴のムイシュキンとを同一視してしまったり、「ドストエフスキー研究」とい... 続きをみる
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夏の晴れた日の摩周湖です。第1展望台から撮りました。かなり昔のことですが、一応、一眼レフで撮ったので、色は良く出ている方だと思います。山は、摩周岳です。アイヌ語では、確かカムイヌプリと言ったと思います。 摩周湖の小島カムイッシュです。カムイッシュはアイヌ語で老婆を意味するそうです。
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愛知県を流れる庄内川を名古屋市で撮ったものです。 数十年前は、鯉や鮒くらいしかいない濁流でした。 最近では、鮎が遡上するくらいの清流に変わりました。この写真は数年前のものです。
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趣のある花なれど名は知らぬ知らぬままにてつくづくと見し 情と欲歌にまとむる人ありし源氏は八重の箱に包まれ とりどりの花咲き誇る梅雨晴間
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「『須磨』を読まずに、源氏を語るな」とは、昔から、源氏物語について言われてきた忠告である。 この忠告を、わたしはこのように取る。「須磨」を経て、光源氏はいよいよ、女には手放せない男になったと。 有名な、雷が源氏のすぐそばの柱に落ちる場面は、非常な迫真力をもって書かれる。左遷された源氏が、尚も、試練... 続きをみる