エッセイ 日本の気候 <夏の暑さと冬の寒さ>
このところ、気温の振り幅が驚くほど大きい。昨日の朝、0度近くだったかと思うと今日の昼は20度である。日本は季節の変わり目には、目まぐるしく気候や気温が変わるが、今まさにそんな時期である。 また、日本は湿潤な気候であるとも言われるが、空気がカラカラに乾く日が多いことも事実で、ともかく、気候においては... 続きをみる
Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春
文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正
このところ、気温の振り幅が驚くほど大きい。昨日の朝、0度近くだったかと思うと今日の昼は20度である。日本は季節の変わり目には、目まぐるしく気候や気温が変わるが、今まさにそんな時期である。 また、日本は湿潤な気候であるとも言われるが、空気がカラカラに乾く日が多いことも事実で、ともかく、気候においては... 続きをみる
言語学者の間で、話し言葉と書き言葉との違いや優劣について、問題になることが多いが、わたしは、日本人的な感覚で、「読み言葉」なる言葉というものも提唱してみたいような気がする。 日本に初めて、漢字が渡ってきたとき、当時の日本人は、あの複雑な象形文字の漢字の羅列を見せられ、これが、ことばを記した文字とい... 続きをみる
自慢ではないが、わたしは二十年ほど前から、自販機で白湯というものを考えていた。 今日テレビを見ていたら、チェリオという会社が売り出したのを放送していた。現在は、試験的だろうが、都心の真ん中でも売れると思うので、ぜひやって欲しいと思っている。因みに、わたしの考えていた白湯の温度は、60度から50度だ... 続きをみる
キリスト教について、あまり言われないネガティブな面がある。それは、キリスト教以前のヨーロッパの古代の歴史や伝統の息の根を、ほとんど途絶してしまったことである。 辛うじて生き残ったものに、古代ギリシア文化があるのだが。古代ギリシア文化と言っても、ギリシア文化と言えば、古代のそれがなければ始まらない。... 続きをみる
「言質をとる」のに躍起な人がいる。これは前に言っていたことと違うではないかと相手の矛盾を突き難詰しようとする、少々、意地の悪い人々であるが、このことを最も得意とする人は、けれども、考えてみると、旦那に対する奥さんということになるのだろうか。それとも、国会で質問しようとする議員であろうか。 ともあれ... 続きをみる
三島由紀夫はわたしの苦手な作家の一人であるが、三島事件については、確実に言えることがひとつあると考えている。 三島事件は考えるものではなく、感じるものだと。 そうしてその異様な感覚からは、日本人であるならば、誰も逃れられぬものだと。
セザンヌの言葉によると、ゴーギャンやゴッホは、私の絵から勝手にプチ・サンスを盗んで画業を成した画家たちで、セザンヌと親しくしていた人は、彼らのことに話が及ぶと、セザンヌは憤懣やる方ないという様子を見せていたという。 本家のセザンヌに言わせれば、そういう言い方になるのも、もっともかも知れないが、その... 続きをみる
書きことばと話しことばとでは、どちらが言語として優れているかという論が、文系の学生の間で盛んに話し合われたことがある。どう答えるかに拠って、その学生の教養の程度をも量ろうとする、一種、意地の悪い問いでもあった。 それなりの本を読んでいる学生は、話しことばと答え、また、われわれの時代は、それが正解と... 続きをみる
こんこんと湧き出づるものは無けれどもとつとつとして文を綴れり この度も寝てばかりいるお正月 「生きとし生けるものは神聖なり」 ウィリアム・ブレイク
学問を究めし友の真の嘆き何にも増してうつくしきかな 一人居の部屋にて面を叩きけりわが愚かさを忍び難きて 願い多き年始めにて句作りや
堕ちてこそ這い上がる期もありにしを安吾は遠くなりにけるかな 哲学をむなしと言わば皆虚し生きてあるこそ哲なる道や さまよふてなほさまよふて年は明け
人生はこんなものと思い遂げど悟り切れなき我が身なりけり 悟りとは常に傾く心をば平らにならす手段なりしか 散らかりてやがて消え去る小雪かな
早々に年は明けたり令和二年 昨年も今年も試練の年なりやどの年見ても試練なりしが
音楽の父 バッハ 楽 聖 ベートーヴェン 両者とも、なんとよくそれぞれの性情を言い表した言葉だろう。 ただ、もう一人の大音楽家モーツァルトに関しては、どんな通称もはねのけてしまう。およそどのような形容も絶した音楽家であると言える。 こんな大芸術家は他にいない。
ボブ・ディランはブロー・イン・ザ・ウィンドの昔から 何も変わらない 古びていながら新味のある歌を 飽くことなく作り歌い続ける 日本の俳句芸術より狭いかも知れない フォークと少しばかり手足を伸ばしたロックとの ごくごく狭い境地で この男は自在に天地を駆ける この限局されたエリアはいかにも狭く不確かで... 続きをみる
約一ヶ月休んでおりました。今日から再開する予定ですが、ストックがほとんど無く、毎日更新できるかどうか、危ぶんでおります。 一句 年の瀬や賀状に俳句書き忘れ
拠ん所ない事情で、しばらくムラゴンは休みます。 どうぞ、悪しからず。
本居宣長の政治論文です。「玉くしげ」のような後世に残るほどの政治論文をものしたのは、当時の学者の中でも、宣長ぐらいでしょう。ここで、宣長は誰憚ることなく、自分の所信を開陳します。殊に、百姓一揆についての情理を尽くした推論は、まことに説得力のあるもので、「今の世に取り沙汰あることは、少しも、下の責に... 続きをみる
はてさても名を尊びぬ儒教なれども老荘の説もなかなかなりき 文筆はいかにも偉きルソーなれど為すこと見れば小人なりき 山肌のくっきり見ゆる秋の朝
宮沢賢治は、たとえ雑草と言えども、その名前をおろそかにせずに調べあげ、自分の詩の中に用いたと言われていて、実際その通りであったろうが、わたしには、賢治の情熱はない。 現代詩は、はっきりと抽象的であって良いと思っているからだが、もう一つの考えとして、「読み人知らず」の伝統を受け継ぎたいと思っているせ... 続きをみる
尾羽の青が鮮明で、てっきり鴛鴦<オシドリ>かと思いましたが、調べてみると、カモ科でも、色々な鳥が居るんですね。 ※みなさんのお陰で、カルガモだと分かりました。ありがとうございました。 短歌 調べても調べてもさてこの鳥の確かな出自判然とせぬ カルガモは軽鴨と書くと知りにけり序でに季語は夏なりと知る ... 続きをみる
※縦横が反対になっておりました。縦に直しました。 道を歩いていると、そこだけという具合に、黄色い花だけに日が当たっていて、まるで、撮ってくれと言わんばかりの風情だったので撮りました。やや、幻想的な写真になったと思います。 名前は相変わらず、調べていませんが、花のつくりからして、キク科の外来種じゃな... 続きをみる
日本は温暖な気候の国であるとは、誰が言い始めたことなのだろうか。 日本は、温暖な国どころではない。確かな文献によっても、夏は、日本人全体が夏バテするほど暑く、冬は、夏のままの格好で居たら、凍え死ぬほど寒い。 日本で、イスラーム文化のラマダーンに当たる、断食月が無いというのも、日本は、夏の暑さで自然... 続きをみる
幕末から明治期にかけて活躍した勝海舟と榎本武揚を批判した書です。「痩せ我慢」とは、武士道を福沢流に言い換えたもので、これ以上、武士道を下落させる必要はないという、きっぱりとした言葉です。福沢は勝と榎本の両者を、旧幕臣の身であったにも関わらず、新政府の仲間入りをし高禄を食んでいるとは何事であるかと批... 続きをみる
正確とは徳であろうか。 ○ 儒教思想では、正は八徳の中に数えられていない。 ○ 正確は、義や知から派生する性質と考えられると見て良い。 ○ 正は非常に大きな数を表す数詞の一つである。 ○ つまり、計算の中で活躍する言葉と見て良い。 ○ 計算は、どこまで行っても計... 続きをみる
資本主義経済は、金銀に変わる貨幣として、紙を選んだが、これは、見事な応用問題の解き方だったと言って良いだろう。実質的な価値を持つ物体から、形而上的な信用を載せた紙幣への移行は、さしたる混乱もなく、滞りなく行われたようである。 そして、さらに時代は変わり、キャッシュレスの時代へと変貌しつつある。最初... 続きをみる
散らかりてさらに流るる紅葉かな 街路樹の黄色に染まる佇まい アメリカにいとも無邪気な男ありダミ声侘しきかのボブ・ディラン
あそこまで行ってみようよ小春日和 思い掛けず雪山見ゆる通勤路 突くところ他になきかは桜の会 かわるがわる朝の積雪見に行くを湯沸かしながら見ている私
昔、冬に撮った写真です。 構図が、なんだかとても面白いと思って撮りました。月とカラスとビルの間合いが、いい具合なんじゃないかと自分では思っています。 一句 月を見るカラスの居たり冬の暮れ
蹴つまずく出しっ放しの扇風機 おしなべて日本の秋は気まぐれや 紅葉を待ちわびる日のあたたかさ うつつ世に小春日和の幾日かあると思はばうれしかりけり
これも、去年の紅葉の写真です。鮮明な赤と黄色が目を引くようです。 今年の紅葉が待ち遠しいところです。 一句 街路樹の紅葉葉写真におさめたし
ボブ・ディランには 風がある つかんでもつかみ切れない風 われわれを連れ攫うでもない われわれをどこかに導くのでもない ただ 吹き抜ける風がある ああ 風が 絶え間なく吹いているのだよ この男の傍らには
写真は、去年のものですが、ある大学のキャンパス内の紅葉です。大学内の木々は、手間ひまを掛けているので、紅葉も一際、色鮮やかです。 さて、今年はどんな具合に紅葉するでしょうか。 一句 人の心写せるごとく紅葉葉や
どんな鳥居るかどうかを見に行けば山崎川は護岸工事や 白の絵の具落とせるごとく秋の雲 山々は紫立ちて秋日和
おしなべて秋は短くなりにしを日本の四季は順を外れず PCに振り回されて秋日暮れ 地下鉄や隣は本を読む人ぞ
両隣りスマホをいじる人ありてわれはぼんやり車窓を眺む 時により空調の風身にしむや 山肌の間近に見ゆる秋日和 街路樹の木の実はみんな鳥のもの
ジョウビタキのメスの写真です。品のある姿が微笑ましくもあります。 一句 ジョウビタキ品ある娘を連想す
仕事場の近くで撮った写真です。 一句 用水路まっすぐ秋の空映し ※似た句を前にも載せましたが、やはり秋の空がピッタリくるような気がします。
愛知県のとある大学のキャンパス内で、撮った冬の人工池の写真です。 日本には、北海道の原野と富士山麓の樹海辺りを除けば、人の手の加えられていない自然というものは、存在しないというのがわたしの持論です。 日本の自然は、そのうつくしいところは、人の世話が欠かせないもので、この人工池などは、よくよく考えて... 続きをみる
やはり、山崎川で撮りました。 一句 茶に黄色山崎川の秋の蝶
食べられる木の実かどうか知らねども食欲そそる赤さなりけり 人間はどこでも良いが行く場所が無くては適わぬ生き物なりき 身にしみる言葉ありけり罪と罰
霧雨や雨降ることを好む人 実りけれどなかなか刈らぬ稲穂かな 人間は持ちつ持たれつ何事もかくのごときを自他共という
この写真は、一昨年の冬、山崎川で撮りました。 鳥の名前は近くにいた人が、教えてくれたのですが、忘れてしまいました。なにか、珍しい鳥だそうです。 一句 嘴の長き冬鳥汝<なれ>の名は
本を読む人の背表紙気になりぬ秋深まりし地下鉄の中 この秋や清流となる山崎川 都心部に清き川あり桜紅葉
今日、撮りました。ネットで調べたら、(やっと、ネットで調べるコツを学びました。鳥についてのコメントをくださった皆さん、ありがとうございました。)「ハクセキレイ」ということでした。よく居る鳥だそうですが、チョコチョコ動いて、それも対岸だったので、少しピンボケしてしまいました。 この鳥も、今日撮ったも... 続きをみる
関東では雨で大変な様子で、お見舞い申し上げます。 名古屋では、今日、見事な虹が出ました。よく見ると二重にかかっています。 何かの吉兆だと嬉しいですが。 短歌 何ゆえに関東東北ばかりなり弁財天様あめやめたまえ
一昨年の二月に撮った鳥の写真です。生憎、名前が分かりません。 どなたか知っておられたら、教えてください。 一句 青き鳥名は告げぬまま今は秋
東洋にはあるが、欧米にはない言葉として、代表的な言葉ではないかと思う。 これは、欧米諸国に君臨しているのは、Godであって、人間ではないということを如実に物語っている言葉として、考察に値する言葉ではないかと思う。 欧米諸国では、この世を支配するのはGodである。ここには、日本や東洋では窺い知れない... 続きをみる
雨風の強き日なれど即位の礼陽が差し込みぬ式の終わりに ブログ村お世話になりて二年半いい人いっぱいムラゴンブログ バス停や金木犀の香り立つ 即位の日雨降りやみて虹かかり
我がもの顔にクルマが通る 日本の道をクルマが通る 一体何んの行列だい おちおち外も出歩けない 歩くだけでも一苦労 ああ 狭くも細い日本の小道を 我がもの顔にクルマが通る 口笛吹いて歩いたは 昔々のお伽の話 道は歩く人のためのもの 誰も聞かぬは承知だが それでも言うよ 歩く人こそ優先なれ
アランの「幸福論」は、簡潔で、また物事の急所をよく突いた文章が、散見できるのだが、その中でも圧巻なのが、人生の奥義とでも言うべきものを語るところであろう。 アランは言う。「人生の奥義とは、自分が本当に得たいと思っているものを欲することである。」と。アランは、続けてこう言う。「わたしが言うのは、本当... 続きをみる
民主主義は人間を左右に分けるが、儒教はハッキリと君子と小人という具合に、人間を上下に分ける。これは何も、儒教に限らない。欧米ではエリットという考え方が厳然とある。古代では、神に選ばれしという意味だったが、貴族階級を生むのに必須の考え方であったことは、紛れようもない歴史事実である。 人格に優劣がある... 続きをみる
天災を日本は皆で受けとめぬやまとごころしうるわしきかな 山肌のわずかに見ゆる霞かな バス停や鳩の啄む木の実かな
日本とはなんと災害多き国やそれでも生きるこの国でこそ そこここの街路樹秋の実をつけぬ 秋の暮れ更地となりし宝石店 名の知らぬ木の実なりけり名古屋駅
中国は、一つのお国柄といっても良いくらいなのだが、国の方針に馴染まない言論を暴力で封殺する歴史事跡に事欠かない国である。 古代、秦の始皇帝の焚書坑儒に始まり、同時代の韓非子は、獄中で毒をおくられて自殺しているし、闊達で、進取の気性に満ちた漢の武帝でさえ、諫言した司馬遷は去勢され、明時代の李卓吾も異... 続きをみる
災害のいかにも多き国になれどわれは日本をこよなく愛す 災害に呼び覚まされしやまとごころ復興に向け動き出づる 人々は頼まれずとも動きけりやまとだましい持ちゐたるに 日本や再び晴れの日を見せよ
獲物を見つけたカワセミ。 小魚を捕らえたカワセミ! 2年ほど前に撮ったものです。残念ながら、獲物を捕る瞬間は撮れませんでした。
※東日本豪雨台風、台風19号で被災された方々にお見舞い申し上げます。どうぞ、めげずに頑張ってください。 フランスのユダヤ系の哲学者「ベルクソン」です。 以前にも、このブログに載せましたが、目がどうしても気になって、加筆・修整しました。台風の最中でしたが、何故か、筆を執る気になりました。 とても、知... 続きをみる
明日来たる野分弱まれ南無三尊 神仏に祈るばかりや野分来る 台風のエネルギーとは如何ばかりいにしへ聞きし核の百倍
いきほひの猛烈なりし野分来たり日本祈れり逸れなむことを コロコロと天気の変わる秋一日 カレンダー薄くなりぬる神無月
あまりにも高名な本ですが、この書だけで、福澤の思想を代表させるには、少し無理があるようです。福澤の思想の本領が発揮されるのは、やはり「文明論之概略」や「福翁自伝」においてである、というのが撰者のかんがえです。「学問のススメ」で、福澤は、新時代の徳というものを列挙します。軽薄は鋭敏に、鈍感は重厚に、... 続きをみる
名高い本ですが、西郷は、書を世に問おうとする意思を、まるで持っていなかった人だということを忘れてはならないでしょう。この書は、ある藩での西郷の講義筆録をまとめた小さな本ですが、読み方は少々難しい本であると、撰者には思われます。蒸気機関や電信などの、当時最新の技術を何のために取り入れるのかというよう... 続きをみる
アランは若い頃に、神経症を病んだ経験がある。その病いの最中に自ら軍役を志願し、自力で神経症を克服したという経歴の持ち主である。 「幸福論」の第一の特徴と言えるのは、非凡な文章力で、読者を、誰にでも覚えがあるような神経症的な症状に導いていって、そこから、どのように抜け出すのが最良なのかを、克明に描い... 続きをみる
金もいらぬ命もいらぬ名もいらぬそのまま生きた西郷隆盛 人として桁外れなる西郷の器をおもひ秋は深まり 自販機にようやく赤の「温」灯り
諸外国、特に欧米諸国では、インタビュー本というのはありますが、対談形式の書物というのは、ほとんどないそうです。対談ではなく論争という形になってしまうのが、その主な原因だそうです。自分というものを失うことなく、相手に合わせることができる日本人ならではの文芸形式といっていいかも知れません。そうして、著... 続きをみる
未完に終わった井筒最晩年の著作です。井筒の教養は破格です。およそ考えられる限りの人文的教養を身につけた人と言って良く、その深さと広さは脅威と表現しても、大げさではないくらいです。その井筒が、最後に手がけたのが、中国成立説が有力な「大乗起信論」という仏典をめぐるこの論考であったことは、何か不思議の感... 続きをみる
井筒の若年の頃のロシア近代文学についての論考です。驚くべきことに井筒は、取り上げられた文献をほとんどすべてロシア語の原著で読んでいます。プーシキンを先駆として、中には、あまり聞き慣れない作家の名前も出て来ます。ロシア近代文学を総覧し、井筒独自の解釈をして見せます。トルストイでは、その作品よりも人物... 続きをみる
トランプ賭博に憑かれた男の人生を、活写して見せた小説です。なぜか、まるで不気味な人間のように出没するスペードの女王のカードに、男は気がかりな思いを持ち続けます。そうして、男の人生を賭けた、ここぞという勝負のクライマックスで、男を嘲笑うかのように、スペードの女王が出現し、賭けに大負けし、男は発狂しま... 続きをみる
文芸評論家の小林秀雄は座談の名手でもありました。文学者同士の対談だけではなく、戦後まもなく行われた物理学者湯川秀樹との対談もあります。理系文系の枠を越えた小林のじつに広い教養の幅を伺わせます。この書は、世界的な数学者岡潔と、多岐にわたる分野について、縦横に語り合った対談です。書中、「現在、知は、世... 続きをみる
これは、わたしの言い方になるが、日本は、夏は東南アジア諸国並みに暑く、冬は北欧の冬並みに寒い。しかも、季節の変わり目は、日々の寒暖差は激しくなり、コンパクトに気温や気候は切り替わる。 季節ごとのメリハリは、とても強く、自然気象はダイナミックに動く。ただ、単に自然が厳しいというだけではなく、自然災害... 続きをみる
「従軍慰安婦少女像」は、明らかな語義矛盾を侵している。婦人の「婦」と「少女」とが重なってしまっている。最初に作られた従軍慰安婦像は、史実通り婦人像だった。それが、いつの間にか、少女像に変わってしまったのだが、外向けの演出としてそうなったというところであろうか。 韓国では、また一頃、「偉大な普通の人... 続きをみる
神経症は、一言で云えば、自分で自分の首を絞めるような病気に他ならない。けれども、そこから、人が立ち上がって見せるとき、どれだけ創造的な営為が為されるかは、非常なものがある。 自分で自分の首を絞めるとは、他の生物ではまったく見られない現象で、まことに人間的で、不具合な心の作用と言えるのだが、この神経... 続きをみる
ロシア近代文学の祖、プーシキンの代表作です。この書には、ドストエフスキーの有名な講演筆録があります。「人類苦」を自ら担ったと標榜している余計者のインテリゲンチャ、オネーギンに一度は惹かれるが、そのインテリの上っ滑りな心を見抜いたターチヤナという迫害された女性にこそ、本来の人間の心があるというのです... 続きをみる
西洋音楽に精通し、よくよく総覧した著者は、音楽には、よく言われるような「進歩」や「進化」などというものはなく、あるのは「メタモルフォーゼン<変容>」であると結論付けます。このことは音楽に限らず、芸術一般においても敷衍して言えることなのかも知れません。指揮者や音楽評論家としても活躍した著者の優れた音... 続きをみる
今の政治家の良く口にすることばだが、わたしはこのことばを、まるで信用していない。われわれは、良い政治を期待しているのであって、民意による分かりやすいなどというのは、二の次のことだと思っている。 これは、文章でも同じことが言えるのだが、分かり易くて良い文章というのは、天才的な才能を持った作家によるも... 続きをみる
ホロヴィッツという名ピアニストは、ミスタッチは演奏の本質ではないということばを残している。これは色々と考えてみる余地のあることばで、今の世の中では、正確ということが、いつの間にか、何に増しての権威として君臨してしまっている。 およそ、ライブ演奏において、一音も音を外さないということなど、希有なこと... 続きをみる
フランスのモラリスト、アランの「幸福論」は名高い本だが、文庫本で三百ページほどに過ぎないこの本は、じつに見事な観察眼や思考がぎっしりと詰まった本で、わたしは、十数回ほど読んだのだが、まだ、読み足りないと思っている。 例を挙げると、もうこの時代に、列車の車窓の眺めが素晴らしいことと、しかもその眺めは... 続きをみる
不平家 不平家とは、周囲と折り合いの付かない人のことではなく、自分自身と折り合いの付かない人のことである。 ○ 世の中を数字として抽象する統計値に対しては、人々はあんなに従順なのに、何故、抽象絵画や抽象芸術に対しては、あんなにも不平を漏らすのだろうか。偏に科学という権威によるものだろう... 続きをみる
トルストイの目というのは極めて格別で、詩人と行動家の両面を併せ持った人の目である。「戦争と平和」を読むと、人間をテキパキと区分けしていく実際家と、人間そのものに迫ろうとする詩人とが、そのまま同居している様が見て取れる。 通常の人間では、この相反する傾向は同居できないものだが、トルストイという偉人に... 続きをみる
人は自分の世界観に従って、世界を見るものである。では、世界とは、本当のところ、どのようなものであるか、それを知っている人間など誰もいない。 ○ 「現実を見よ」とか「現実を直視せよ」とか、よく言われることばであるが、人が見ているのは、そのほとんどが数字である。売り上げ、赤字黒字、統計値、... 続きをみる
女は子どもを残す 男はことばを残す ○ 中秋やいずこへ消えし知識人浅くて軽い今のインテリ
軽い話を一つ トランプ、習近平、プーチン、安倍晋三、金正恩、文在寅、マクロン、ジョンソン こう名前を並べてみると、何故か今注目を集めている各国のリーダーには、みんな名前に「ん」が入っている。 ユングがいたら、どう言うだろうか。一種のシンクロニシティであるとでも言うであろうか。
モーツァルトの音楽を語る者は、誰でもその自然さを言うが、モーツァルトの自然は西洋の中でも、特筆されるべき自然である。 これは比喩によって語るしかないが、例えば、日が翳り、それとともに心がそこはかとない憂いを帯びる。または、落葉の降りしきる中を、少女が無心に踊っている。そのような無垢な情を伴った自然... 続きをみる
狙い撃つごとくに野分首都圏へ 中枢の電気を断ちし野分かな あらためて電気の大事思い知る今の世なれば他人事ならじ
民主主義政体下での論語 我々は小人として論語を読むべきである。少なくとも、君子面をして読むべきではない。 ○ 論語には、孔子がいつどこでどのように亡くなったかの記載がまるでない。これは、世界の大聖人の中では、珍しいことに属する。
世の中をどう見るか。だいぶん以前、「世界認識の方法」という際どい題名の本を読んだ覚えがあるが、何が書かれてあったかさっぱり覚えていない。ただ、とてもつまらない本だったことだけは、よく覚えている。 世の中を一歩下がって見てみれば狂言芝居ならざるはなし
現在の世界情勢は、まったく目が離せない。一体、どうなるのか予断をまったく許さないようである。 米中も日韓もまた香港もイギリスもまた世界は軋む
理念とは、それを法令のように、人に押しつける筋合いのものではなく、常に自分の身の内にあって輻射熱のように、自分を限りなくたぎらせるものであることを、西郷ほど自ら実証した人はいないであろう。 理念は、理念という言葉を取る以前の分析のかなわぬ理想的な思想として、西郷に経験されていたであろう。「敬天愛人... 続きをみる
ジーソミア日本憎しと捨てたれどアメリカのこと忘れておりぬ 先の読めぬ文政権にアメリカのしっぺい返しは必ず厳し 怖いもの知らずの文の踏みし尾は誰なるやらんアメリカなりし 外交の無礼を犯す文在寅アメリカ決して黙認せぬに 文政権命数決まる葉月かな
しばらくは残暑の続く列島や アメリカを怒らせること得ならずフセインしかり文またしかり ジーソミアいかに大事と諭せども世論気にする文在寅かな
ひとしきり雨降りやみて虫の声 米中の覇権争いそのままの大迷惑なる貿易戦争 一度置きし石取られまじ文在寅国傾けど民嘆けども
初秋の風吹きとおる朝の部屋 文在寅情ばかりして理を成さず情理揃いて政治ならずや 戦後より七十四年経ちしかど被害慰安婦何故に若きや ※最近、時事の歌が多いです。これも歳かな。
何事もなき一日の虫の声明日は晴れの天気予報や 香港を黙らせたれど手の出せぬ中央政府は何思ひけん 訪れの早き秋かな令和初年
日本より北を信ずる青瓦台目算のある賭けなりしかや トランプに金では買えぬ土地あるを改め知らすデンマーク国 いつまでもつれない北を文在寅
平時にはあまり言われないが、有事の際に、よく言われる言葉がある。フランスのあるモラリストの言葉だが、こんな風な言葉である。 「戦争というのは、ある一部の好戦的な人間たちによって引き起こされるものではない。戦争が起こらざるを得ないのは、人生というものが戦いだからである。」 今は、平時だから、この言葉... 続きをみる
わたしは、いつも疑問に思うことがある。自分の若いころはこんな暑い日はなかったという人が多いし、わたしもそのことは長く生きてきた者として、実感として持つ者だが、その自分たちの若いころというものが、偶々そうであったのではないかということを、言う人が居ないということである。 江戸時代、海岸線は今よりもず... 続きをみる
ため息を吐いては首を横に振る明日という日は無きが如くに 列島の夏吹き払う野分かな いびつなる氷なれども透きとおる