エッセイ 「人物画」等について <閑話余録>
わたしの絵は、まったくの独学で、絵の先生についてあれこれ習ったということはまるでない。
高校生のとき、美術の授業で、「消しゴムも筆のつもりで描け」と教えられた限りである。わたしは指も筆代わりにしているから、これはわたしの独創かと思っていたら、ある本で、指で描く画家がいるということを知り、独創というものは、まず無いものだと思ったものである。
そうであるから、わたしの絵はいわゆる正統なものではまったくないと思っている。
特に人物画を描いていて、楽しくなるような顔と反発したくなるような顔がある。わたしの場合は、ピカソがもっとも反発した顔であった。ベルクソンの顔の線を描いたときなどは、反対に、気持ちがじつにすっとしたもので、一番苦労したのはガンジーだった。
次は、何を描こうかと思っているところであるが、わたしは描こうという気が起こらない限り描かないので、今度、いつ何を描くことになるのか自分自身分からない。こんな風であるから、自分で自分を困ったものだと思っているところである。
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