現代詩 同時代 2
あなたの悲しみを分けてもらえませんか
あなたが湛えている
その冷たい水を
自分が傷ついていることを
自分で知らない人がいるなんて
心とはなんと不思議な実在でしょう
電車はあなたをいつも通りの
場所に連れて行きます
静かな湖のように湛えられた水
けれども
本当にそれは誰の悲しみでしょう
水が誰のものでもないように
また
誰にでも必要なものであるように
あなたはあなたの壁を
きってください
枯野を冷たい水で潤してください
わたしたちの時代の悲しみ
それはやはりわたしたちみんなの食物です
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