現代詩 摩周湖 3
一日目快晴
第一展望台
摩周湖に向かって
何度も石を投げつけるこどもがいた
澄んだ心を持った人間をいじめようとする者のように
石は岸にさえ届かなかった
第二展望台
「これを見たら、もうどこに行ってもしょうがないよ」
と言う子供がいた
父親は困惑したような笑みを浮かべていた
二日目曇り
霧の摩周湖
賢者は姿を隠した
三日目小雨
第三展望台
小雨が降りやんだあと
日が差し
幻想的な摩周湖が広がっていた
みなが思わず息を飲んだ
OLたちがくぐもった上気した声で言い合っていた
「わたしたち、こうじゃなきゃダメなのよ
人をだましたりしたらダメなのよ」
わたしたちは放心した者のように
ただ摩周湖を見入っていた
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