エッセイ 法律の厳罰化傾向
法律の厳罰化傾向が続いている。法律専門のお役人方は、法律を厳罰化すれば、犯罪は減るとでも思っているようである。これは、簡単な算数なのであるが、法律が厳罰化されたお陰で、自動車によるひき逃げ事件がなんと増えていることだろうか。
人間の心は、算数では測れない。こんな単純なことも(じつは深過ぎる理なのだが)お偉方は、簡単に失念してしまうようである。
人間は、これはという人物と出会ったときに、はじめて反省する。儒教が、何度も繰り返し言っているように、義と礼を以って、はじめて恥を知るのである。
時代がいくら変わろうが、人間の心の構造は、変りはしない。人間は、塀や制裁金などで、反省するものではない。「免れて恥なし」である。
ところで、現今、義と礼を身に付けたような人物がどこにいるだろうかという問いは、こう書いてくれば、必至だろう。
さて、どこにいるか。これは、探そうとすれば、居なくなってしまう人と言って良かろうか。ただ、そういう人は少数だが、いつの時代にも必ずいるものであるのは、変わらないことであるようだ。
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