エッセイ 好機 <景気回復への足掛かり>
株価が、30数年ぶりに、主に、海外投資家たちの投機によって、三万円超の高値の水準に達し、日本経済はようやく景気回復への、足掛かりを得たようである。
ここで重要なのは、もう、二度とバブル期のような愚かな轍は、踏まないことである。わたし自身は、バブル期には少しもその恩恵に与らなかった、少数の偏屈者のひとりだったが、あの当時の、世間の狂乱振りには、じつに、苦々しい思いをしていたものだった。
企業は、あのバブル期のときの、経済の歯車がいかれてしまったように回転する、景気の循環を、なるたけ避けなければなるまい。そのためには、労働組合とある程度喧嘩してさえ、あの時期のような高い賃金を、労働者に支払う必要なないとわたしは、見る。
「バブルよもう一度」と、懲りない連中は、放っておくのが最上の手段である。失敗を繰り返してはならない、折角の好機である。この好機を足掛かりとして、長期に渡り、しっかりとした安定感のある、年率2%の物価上昇を持続させる、経済上の好循環を、達成する秋である。
好景気にするだけが、政治家や企業の使命ではないのは、当然のことである。安定感のある経済の好循環を、持続的に継続させていくのが、経済政策の最優先事項である。
政治や企業に携わる人々には、どうか、好景気の波を欲しがってやまない、人気取りの商売に成り下がらないように、衷心から、お願いする次第である。
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