Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

閑話休題 漢字のこと <簡単だが、おかしな漢字>

たとえば


誰でも知っている「」という漢字、これは日本語では、音二つ訓二つ合わせて四つの読み方があるのだが、すべて言える人は、結構稀で、むしろ漢字を習っている小学生の方が言えるくらいである。


正解は、皆さん方に、少し、考えてもらいたいので、後回しにしたい。


それから、


素敵」という漢字、


なぜ、素の敵が「すてき」ということになるのか。これは辞書を引くと分かるのだが、倒語というもので、当て字なのである。本来は「出来過ぎ」という言葉なのだが、それが変化して「すてき」となり、それに「素敵」という漢字が当てられたのである。だから、この言葉は、「素的」と書いても、「素適」と書いても、じつは、間違いではないのである。


だが、学校教育では、「素敵」という漢字しか通用しないようであるが。


もう一つ、付け加えると


正義の味方の「味方」という漢字、


なぜ、また、「」という漢字が使われているのか。これは元々、自分の方という「方」に「み」という接頭語が付いた形で、だから、「御方」でも、「身方」でも、間違いではない。だが、学校教育では、こう書くと、バツとなってしまうだろう。


それで、上記の「」の正解は、


訓は、
省く(はぶく)
省る(かえりみる)


音は、
ショウ
セイ


である。


どれも、よく使う言葉ではあるが、こんな風に、問題として出されると迷う漢字の代表で、すべて答えられた方は、すばらしいと言えるくらいである。


勘の良い方は、お気付きだろうが、「はぶく」も「かえりみる」も「ショウ」も、まるで異なった意味合いのことばなので、戸惑うのである。「かえりみる」と「セイ」だけが、ようやく意味が重なっている。


漢字とは、とても面白い言語なのだが、また、しごく厄介な言語でもあるようだ。