エッセイ 日本仏教考 <雑感>
日本仏教には、それぞれ格というものがあるのを、ご存知だろうか。
もっとも格が高いのが、天台宗、その次が、真言宗というようになっていて、天台宗は、ご存じの通り、大師第一号の伝教大師が日本の祖師で、真言宗は、弘法大師である。
これは家柄というものが、関係していて、昔は、仏教も他の宗教と変わらず、祈るときに、様々な仏具<道具>を必要とした。その仏具が揃えられるほどの経済力がなければ、その宗派に入れなかった。だから、家柄が問題となったのである。
わたしは、天台宗が家の宗派だという人には、一人しか会ったことがない。真言宗の人には、二人だけ会ったのみである。
こうした、家柄でどうのという仏教観を、根底から覆したのが、ほかならぬ鎌倉仏教の祖師中の祖師、法然上人であった。
ただ、仏教の世界では、未だに、こうした宗派の格を問う声が根強く残っていることも、押さえておきたいところではある。
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