エッセイ きれぎれ草 86 <意味、金>
意味は、微に入り細を穿ち、これでもかと、相手が音をあげそうになるまで、尚、しぶとく、さらに念入りに、要するに、人が生きている限り、いや、たとえ、亡くなっていようとも、その人を少しでも、必要としている限り、大胆に、また、慎重この上なく、そうして、際限を知らず、問われなければならない。
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意味の大敵は、堪え性のない、切り上げや切り下げである。ひとつ例を挙げよう。
金はすべての事に応じる。
この聖書中のことばは、切り上げても、切り下げても意味を違える。だから、金は大事だ、とか、だから、金は、卑しい空しいものだ、とかは、ひとことも、言ってはいないのである。
金はすべての事に応じる。
金とは、その聖書の言葉通りのものとして、遇すべきものなのである。
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