Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ 軸となるもの <古典>

わたしの生活を振り返ってみると、高校生や浪人時代の時に読み、出会った数々の本が、その後の生活の抜き差しならない、わたしの軸になっていることを、強く思う。


中でも、特に感動したドストエフスキー、トルストイ、小林秀雄などの人の見方、物の考え方は深く、わたしの中に根を下ろし、今の歳になっても変わらなく持っていることが、良否は別として、自分の基軸になっているのを、自分自身どう変えようもなく、また、変えたいとも思っていない。


学生時代、わたしはとても高学歴の面々の揃った学生寮に入っていて、他の学生たちも、また、さぞ、自分の軸となるものを持った人たちだろうと勝手に期待し、そう思っていたのだが、いざ、話を聞いてみると、そうした軸を持った人が、他にまるでいないのが、わたし自身とても不審で、彼らはただ隠しているだけだろうとさえ、考えたのだが、本当に、わたしの持っていたような人たちを持っていないことに気が付いて、呆気に取られた経験がある。


その後、社会に出てから、とんでもない苦労を強いられることになった、わたしの生活だが、上記に述べた人たちから得たものが、なかったならとかんがえると、とても今まで、やって来られなかったのは、間違いないことだろうと、あの時、古典を読み漁っていて、本当に良かったと、今更ながら思っている。


若いときに、古典の触れて置くことの大切さは、事改めて、強調することもないことくらい重要なことであるが。


※「わたしの生活」として「わたしの人生」としなかったのは、わたしの羞恥心に拠るものである。