ニーチェという教祖 ショーペンハウアーという貴族主義者 ミレーというペシミスト セザンヌという真新しさ ゴッホという超人
ニーチェのブログ記事
ニーチェ(ムラゴンブログ全体)-
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小型爆弾と言ってよい本です。「罪と罰」の直前に書かれました。ドストエフスキーは人物としてはとても意地が悪く、付き合う人々を困らせずにはいない厄介な人である上に、至極純良な心を持っているというじつに複雑な心の持ち主でした。「ぼくは病んだ人間だ。意地の悪い人間だ。」という出だしで始まるこの小説は、その... 続きをみる
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2015年に描いた「ニーチェ」です。 ニーチェの本はよく読んだ方だと思いますが、じつはわたしはニーチェが苦手です。「きれぎれ草」にも少し書かせてもらいましたが、ニーチェの文章には強い感電力を感じてしまい、長く読み続けることが、わたしにはむずかしいです。 この絵は少し悲劇的なニーチェになったと思いま... 続きをみる
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人を顔で判断するのがはやりである。地下鉄の週刊誌の広告には、これでもかというくらい顔ばかり載せている。 わたしは週刊誌や雑誌などを読む習慣がない。せめて、文藝春秋くらいはと思うのだが、今の冷笑主義の論調に嫌気がさし、読む気がしないでいる。だが、地下鉄の週刊誌の広告だけは、よく見る。 週刊誌などの雑... 続きをみる
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「女らしい女なら、向こうから逃げ出す。男らしい女なら、こっちから逃げ出す。」アンチフェミニストらしいニーチェの言葉である。 わたしはフェミニストであることを心掛けているから、女らしい女は追いかけることを、男らしい女は、受け入れることを信条としているが、なかなか事はうまくは運ばない。実際、男女関係く... 続きをみる
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問題 世の中の問題というものは、それがそのまま解決されることは、稀な事態である。通常はそれを問題とする必要がもうなくなったから、自然とその問題が解消されるという形をとるものである。われわれが、日頃頭の中で思い煩っている問題にしても同じことが言える。 ○ 内村鑑三 明治期以来、もっとも霊性的な人間と... 続きをみる
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ニーチェ自身が、「わたしの哲学を学ぼうと思う者は、まず、この書から読むといい」と言ったニーチェ哲学への入門書です。巻頭言に「女が真理であったとしたらどうであろうか」という言葉が載っています。ニーチェにとって真理とは机上の論理ではありませんでした。常に人生や生活の直中で試みられ、生き続けなければなら... 続きをみる
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ショーペンハウアーは幸福について独特の考えを持っていました。ショーペンハウアーの隠れた思想に貴族主義があります。精神の貴族として繊細な感じやすい精神を持った人間は、できるだけ俗悪な人々との交渉を避けて、安逸な静かな生活を送るように心掛けるべきだと言います。弟子のニーチェの考え方とは相容れないもので... 続きをみる
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ニーチェの師匠に当たる、ドイツの哲学者の主著です。ニーチェ自身は、この人の書いた本の第一行目を読むや、あらゆるページのあらゆる言葉を謹聴せずにはいられない読者であったと書いています。この書は、東洋哲学、特に仏教の華厳経の影響が顕著です。滝のように流れて止まない現象の非情性とそこに虹のように掛かる本... 続きをみる
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ニーチェが、ドイツ語で書かれた最も偉大な書は何かと問われたとき「ゲーテとの対話だ」と答えた逸話が残っています。秘書のエッカーマンは、誰に頼まれた訳でもなく、晩年のゲーテの悠々迫らざる生き生きとした風貌をあますところなく描き、大人物との日々の対話を丹念に記録していきました。そうして出来上がったのが本... 続きをみる
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「神は死んだ」という有名な言葉の書かれたニーチェの中でも最も知られた書です。ニーチェは、この一言で現代の不安と混乱の状況を予見しました。たくましい精神がそうした状況をどう生きるべきか。ニーチェの超人思想が綴られていきます。近代の病理を隅々まで見抜いていたニーチェは、自らを犠牲にするように、これから... 続きをみる
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ツァラトゥストラはゾロアスター(拝火教の祖)のドイツ語読みである。ニーチェは原水爆という史上もっとも熱い火を手に入れるに至った現代を予見していただろうか。詩人の千里眼とはそういうものであろうとも思うが。 ベルクソンは、最後の著作で、「人類はまだ自分たちの運命は、自分たち次第だということをよく分かっ... 続きをみる