Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

エッセイ ことばの力 <その否定的な面から>

ことばの力というと、よく、肯定的に捉えられがちだが、実態を見れば、人々はもっと否定的な面で、ことばの力に振り回されているようである。 例えば、おそろしい病気などの病名、癌とか認知症などの、人々が嫌忌してやまない病名を宣告されたとき、人々は病気そのものの実態よりも、はるかに、その病名にやられてしまうものである。そして、これは、その病名を告げる医者にさえ、よく分かってはいない事柄なのである。 同じく…

エッセイ ラマダンというもの 2 <栄養過多を避ける>

前の記事で、ラマダンは健康に良いのではないか、ということを書いたのだが、これにはちゃんとした根拠があるので、そのことについて少し書いてみたい。 人間、大きく言って、人類は、大昔から飢餓と闘ってきた。日本も振り返ってみれば、天明、天保と大きな歴史から見れば、つい最近まで、大飢饉に見舞われている。 その日本は、ほんの30年前、1993年に大凶作に遭ったのだが、一人の餓死者も出さずに済んだ。文明が進ん…

エッセイ ラマダンというもの <イスラーム>

イスラームでは、ラマダンという風習がある。 ラマダンの期間は、太陽が昇ってから沈むまで、一切の食事や飲み物、水も口に入れてはいけない。つばさえ飲んではいけない、口に湧いてきたら、吐き捨てなければならないというきまりである。 このラマダンというものは、イスラームで、慣れている人でも、相当に堪えるものだそうである。 人間は放っておくと、欲のまま飲んだり食べたりしてしまう。じつは、こうした期間を作る方…

現代詩 城郭 <短歌>

どんなにビルが建とうとも 心の支えになりはせぬ ただ一棟の城郭が われらの誇り 拠り所 遠い昔の建築が われらをしかと支えたる 宗教もなき建築の 威容を眺め 思い見る これぞ建築 権威そのもの この権威 ただに心のかたちなりけり 短歌 どれほどのビルも城には敵はぬはこれぞわれらの支えなりせば