エッセイ 出会いにも別れにも季節がある
南方熊楠の言葉である。
わたしは、ここ20年来、ある縁から、付き合ってきた友人がいる。友人とは言っても、わたしが家庭教師役で、彼は生徒役であった。わたしは、その付き合いを大事なものと思っていたが、コロナ禍のこともあって、疎遠となり、ここ十ヶ月ほど会っていない。仲違いしたわけではないが、電話連絡も途絶えた。
彼との付き合いは、おそらく、このまま自然消滅するだろうと思っている。出会いがあり、別れがあり、それにも季節がある。
わたしは、彼から何を得、彼は、わたしから何を得たのか、今は、そうした詮索をしようとは思わない。
ただ、彼との季節が満ちたということは、確かなことのように思われる。
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