Toshiのエッセイと詩とおすすめ本と絵などのブログ by車戸都志春

文芸を中心に、エッセイやおすすめ本の紹介文、人物画、写真、現代詩、俳句、短歌などを載せたブログ。by:車戸都志正

jazz <チャーリー・パーカー>

jazzはかんがえない、踊る。


だが、チャーリー・パーカーはかんがえる。


なにを。


何をではない。ただ、かんがえる、しかも過不足なく軽やかに。



チャーリー・パーカーのサックスは早すぎて踊れない、だからスウィングする。


論理的に言えば、無思量底を思量する。


こんな意識の絶壁で、詩や音楽など歌い上げられないはずの境地で、チャーリーパーカーは、朗々とサックスを吹き鳴らす。これは、ランボーや臨済がやったことだ。



チャーリー・パーカーは明るく、自由にかんがえている。人々は、それに乗ってスウィングする。



かんがえないはずのjazzがかんがえている。


こんなパラドクシカルを体現した男は彼だけだ。コルトレーンはjazzを壊した。
マイルスはjazzを点描した。チャーリーは朗々と歌いあげた。


本当に自由にかんがえていたからである。


頭を少しも動かさない彼の演奏スタイルは、そのことを如実に物語っている。


こんなところまで、jazzを追い詰めたら、もう後は、そろそろと絶壁を下るほかない。


その後のjazzは死んだかと言われる所以である。


チャーリ・ーパーカーにおいて、jazzは真の自由を獲得したのである。